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てんてん転移  作者: 木苺
13/22

母は強し!

本日は 子供たちが楽しみにしていた乗馬の日。


ところが、朝食後、お偉いさんがやって来た。

 正確には お偉いさんの意向を伝えに何某なにがしさんがやってきた。


曰く「宰相様がお呼びです」と私だけを呼び出しに来たのだ。


すると次男がすかさず言った。

「きのう、食べ物関係のところを見学に行ったとき、お利口だったから、

 ごほうびに、今日はみんなで乗馬をに行く約束なんだよ。」


「宰相のお言葉に逆らうとは、(しつけ)のなってない子ですね」何某


「宰相様が御用のあるのは、お母様だけですから、

 君たちは 私と一緒に 予定通り乗馬に行きましょう」

取りなすようにマッチョさんが言った。


宰相からすでに打診を受けていたお世話係の爺や達は、午前中子供達を乗馬などで遊ばせて その間に私と宰相が面談すればよいと考えていたようだ。


しかし 子供達が「ママと一緒でなければ嫌だぁ~」と言い建てたので 私も子供達と一緒に馬にのって過ごすことになった。


最初 じい様たちは、「母君にお外は無理」とか「女性に乗馬はむつかしいのでは」などと言って、子供達だけを部屋の外につれだそうとしたのだ。


ところが

「ママは なんでもできるもん!」

「よその人について行ったらだめだもん!

「いっしょでなきゃいや~」

5人が一斉に自己主張を始め、私にまとわりついていたので お爺さんもおじさん達もお手上げ。


だって どさくさまぎれに 一人は私の肩にのっかり、一人は私の背にしがみつき、二人が私の腕にだきついてワイワイ。 

あぶれた一人は私のお腹に背中を張りつけながら 理路整然と「知らないところで 知らない人と」と防犯注意をまくしたてていたのだから。


最後は 私が 一人を肩車して もう一人をおんぶして 両腕に一人づつ子供をぶら下げて 残る一人は私の体の前がわにしっかりとだきついた状態で、子供達をベッドの上まで連れて行き、そこでみんなでくすぐりっこして騒いで やっと落ち着いた。


か細い女性が 体重15~20キロのこどもを5人もまとめて運んでいるのを見た男どもはあっけにとられていた。


母は強し。


というか こどもってのは、ハイハイを始めたときから 母親をゆりかごか椅子がわりに乗っかってきますし、双子を育てていれば 子供を両腕にぶら下げて歩くのも、肩車とおんぶまたは抱っこで運ぶのも毎朝・毎夕・毎晩のあいさつ代わり

そこに3つ子が加われば 子供達も頭を働かせて 私にしがみつく方法を編み出しますって。


ようは バランスです バランス。

子供をぶら下げる筋肉は 私の体幹さへしっかりしていればだいじょうぶ。

あとは バランスよく 子供達が私にしがみつけばそれでよろしい。


後日 筋肉自慢の男どもが 子供達をまとめて運ぼうとして筋肉痛を起こしたらしい。

こどもって 騒ぎますからね。


日ごろから 息を合わせる練習していれば 就学前の子供の4人や5人、己の体にしがみつかせて運ぶことはできますが、

初対面のお子を抱き上げる時には、まず互いにアイコンタクトして、息をあわせてからお互いに抱き合い、抱えあげた子供に 自分の体のどの部分にどのように収まって欲しいか 手足をどこに巻き付けてどの程度力加減でしがみついてほしいか ちゃんと伝えて、お子さんからの協力も得ないと しんどいですよ。


 つまりは 自分の体の上に バランスよくお子さんに乗っかってもらうことが大切。



私の居ないところで、お世話係の面々は、


「女性も子供のころから、男と同じ食事をして体を鍛えていれば、

 というか 男と同じものを食べて体を鍛えていても

 女性らしい体形のまま あれだけのパワーが出せるのか」


と話し合ったそうだ。


その話を聞いたとき、私は思った。

(この世界、女性に対する偏見が強すぎません?)


 なんだか やばそうな所に来ちゃったみたい。

  そろそろ 元の世界に帰りたいな。



未就学児を5人、体にぶら下げて移動するのは、ボランティアで施設訪問していたときの実体験です(笑)

この物語の子育てシーンは ほぼ私の実体験を元に アレンジしたモノです。

 男の人達は 豪快に子供を振り回して人気をとりますが、すぐにバテて逃げ出す。


 私は 繊細に 子供たちの安全に留意しながら、自分の体力も考えながら 子供たちに埋もれるようにして 団子になって90分程度は一緒に持続的に遊んでおりましたw

 (だから 遊び方も 遊びの内容そのものの組み立ても事前に入念に考えて、代案も複数考えて参加しておりました。)

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