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プロローグ

昔、昔。

5人の若者は各地を周り、冥界のの女王が封印した各精霊王たちを解放し従え、異形の魔物たちの蔓延るこの地の為に戦った。

冥界の王子は母を裏切り、若者たちに手を貸した。

そして全ての魔物を、冥界の女王を冥界へ送り返すことに成功したのだ。

冥界への門は6人より封印され、その後魔物が蔓延ることはなくなった。


精霊に愛されしこの地に人々は、平穏に暮らし始めた。


この地の創生の物語。



********************



その日は嵐だった。

だが急に雨は上がり、太陽の光が降り注ぎ注ぎ虹が見えてきた頃。


「おぎゃ〜!おぎゃ〜」

「殿下!奥様!元気な女の子です!!」


柔らかな布に包まれ、出産を終えたばかりの彼女の腕に抱かれる。

「ナリージャ・・・よく頑張った」

「ロイ・・・」

ナリージャは微笑み、ロイは嬉しそうにベットに座り抱かれた赤ん坊の顔を覗き込む。


「顔立ちはそなたに似てるかの」

「成長すれば顔立ちは変わってきますよ」


額に汗が滲むナリージャは嬉しそうに微笑む。

だが次の瞬間、顔色が変わった。


「皆のもの!一度表に出てくれ!」

切迫詰まったロイの声に部屋にいた侍女たちは、一斉に表へ出た。


2人きりになった部屋でロイとナリージャは顔を見合わせたのち、もう一度産まれたばかりの赤ん坊の顔の覗き込む。


「ロイ・・・」

「ああ」

2人はもう一度見つめ合う。


「出来るだけ知られないほうが良い」

ロイはそう言うと、赤ん坊の左目を触る。

古代の呪文のようなものをかけ、ふっと溜息をついた。


「僕の力では一時的なものにすぎない。すまない・・・」

「気にしないで。お兄様を呼びましょう。妹の見舞いと言えば不自然に思わないわ」


ナージャはそう言うと、部屋から出て行っていた侍女たちを呼び戻す。

「スーテラン男爵に早く会いたいと伝えてもらえる?」

「かしこまりました」


太陽の日差しが窓より一層明るく入り込んでいた・・・。




**************



とうとう産まれた。

彼はニヤリと笑う。

この時をどれほど待っていたか。

虚空の中でずっと1人だった。


今度こそ必ず全て手に入れる・・・。


紫紺の双眸が決意に光輝いていた・・・。




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