昇格試験ー5
半分に切断されたオーガは大地に倒れ伏せる。
「おしっ‼︎」
その光景を見ていたマタイ達は驚きを隠せなかった。
「待て待て、裕太はスキルが使えるのか⁈ あれだったら直ぐにBくらいまで昇格できるんじゃね⁈」
「裕太のスキルといいフェミルの下位級魔法といいな……どのみちEから始めないと行けないからな、たまにああいう人材が紛れ込んでいるんだ、まぁ直ぐに昇格してしまうが……」
「どうする? 私達も援護する?」
「いや、孤立しているオーガを集中的に狙おう、無駄に足を引っ張っては悪いからな」
「ああ、そうだな」
マタイ達は武器を構え孤立気味のオーガに突撃する。
「氷獄」
オーガの足元に魔法陣が現れ、その瞬間オーガの足首が凍りつき、身動きを封じる。
「裕太、お願い」
「嗚呼、任せろ‼︎」
裕太は跳躍しオーガの首筋を切り裂き、オーガを斬り殺す。
裕太はふと横に目を向けると孤立していたオーガとマタイ達が戦闘を繰り広げていた。
マタイ達は鈍重なオーガに対して一撃離脱で攻める、そのおかげでオーガの攻撃はまともにあたることはない、このまま行けばオーガを難無く倒せるだろう。
「グォォォォォオオ‼︎」
最後に残ったオーガは棍棒を裕太に振り下ろしてくる。
裕太はそれを軽い身のこなしで回避すると背面に回り込みオーガの足首を剣で切り裂く。
オーガが倒れ伏せた所を剣でとどめを刺す。
「ふぅ……これで全員殺したか?」
「おーい、そっちは大丈夫か⁈」
マタイ達もオーガを倒したのか、かけ寄ってくる。
「嗚呼、俺らはなんともないがそっちは大丈夫か?」
「何とか怪我は無いぞ、にしても裕太とフェミルは強いな‼︎ Bクラスはあるんじゃないか⁈」
「まぁ相方はBクラスだしな」
ファドルは「将来大物になることを期待してるぜ」と笑う。




