昇格試験ー2、
一体のフロッグマンが跳躍する、蛙男と呼ばれているのとその見た目だけあり数メートルは飛翔し戦闘にいたマタイに飛びかかる。
「くっ……‼︎」
マタイは咄嗟に剣を構え、飛んできたフロッグマンの腹部に剣を突き刺す。
フロッグマンの身体にマタイの剣がつき刺さり赤い体液が吹き出す。
それと同時にマタイはフロッグマンに押し倒されマタイの頭を食いちぎろうと噛み付いてくる。
「ウゲェェェ‼︎」
「蛙野郎が‼︎ 話やがれ‼︎」
フロッグマンが噛み付いてきた所を腕で防ぐ。
フロッグマンに噛まれ、腕から血が吹き出る、それと同時に針の様な苦い下で毒を注入され独特な痛みが走る、それから数秒して腕から段々と感覚が鈍くなっていく。
「大丈夫か、今助ける‼︎」
グランデは槍を構え、無我夢中にマタイの腕に噛み付いているフロッグマンに槍を突き刺す。
「グゲェェェェ‼︎」
槍を突き刺された事によりフロッグマンは悲痛な叫び声をあげる。
「うりゃゃあ‼︎」
ファドルはフロッグマンが怯んだ一瞬をつき、突撃し喉元を切り裂く。
フロッグマンは力尽きた様にばたりと倒れ伏せ絶命する。
「大丈夫か⁈」
ファドルはマタイに駆け寄る。
「大丈夫だ……それより解毒ポーションをくれ、毒が回って感覚が無くなってきた」
「嗚呼、わかった」
ファドルはマタイに懐から解毒ポーションを取り出しマタイに渡す。
マタイは渡されたポーションを一気に飲み干す。
「うげぇぇ……苦ぁ」
「そりゃそうだろうな、それよりどうする? あと二体、手強いぞ?」
前方を見ると二体のフロッグマンは今すぐにも飛びつこうという勢いだった。
「私と裕太とファミルで右の奴を相手した方が良さそう?」
シリンダは剣を構えそう言う。
「嗚呼、そうしてくれ、行くぞ‼︎」
マタイとファドルとグランデはフロッグマンに向けて突っ込んでいく。
「あの馬鹿達は突っ込んで行ったけどわたし達はどうする?」
シリンダは少し呆れた様にため息を吐く。
「勿論、向こうから来るのを待って、その時に私が魔法で迎撃する、その間にフロッグマンに攻撃を加えてほしい」
フェミルはそう一言囁く様に喋る。
「わかったわ、じゃあそちらに任せる、じゃあ裕太、よろしく頼むわよ」
「嗚呼、任せろ」
裕太は横に目を向けるとマタイ達がフロッグマンと戦闘を繰り広げていた。
(にしても、トロールとかに比べたら断然弱そうだよな……まぁEクラスだしそんな物なのか?)
その時だった、フロッグマンが跳躍しこちらに向かって飛び掛ってくる。
「氷弾」
フェミルが魔法を唱えると小さな魔法陣が出現しそこから拳より大きい程度の鋭利な氷の結晶がフロッグマンに直線に飛んで行く。
空中を飛び立っていたフロッグマンに命中し体制を崩したのかその場に落下する。
「裕太行くよ!」
シリンダはそう言うとフロッグマンに飛びかかっていく。
「嗚呼」
裕太もそれに追従する。
シリンダの一撃がフロッグマンの背中あたりに振り落とされる、それに続く様に裕太の一撃が首筋を貫き絶命する。
「死んだみたいね」
「そうだな、向こうも片付いたみたいだが」
裕太がマタイ達の方向を見るとファドルが怪我を覆っていたみたいだが何とか倒せていた様だった。
お互いの仕事が終わっているのを確認すると合流する。
「そっちはどうだった? 怪我してるみたいだけど……」
「まぁ怪我人は二人で互い何とかな」
「人間より身体的に優れるモンスター相手に突撃するからよ、普通わかるでしょ?」
「ともかく何とか倒せたんだ、良しとしようぜ?」
「誰も死ななかったからいいんだけどさ、今日は後2時間もすれば日は沈むし何処かで野営しましょう」
「それはそうなのだが、この辺りの野営は難しい、ある程度離れた所で野営しよう」
「その前に討伐証明部位を取らないとね」
シリンダは腰のナイフでフロッグマンの鼻に該当する部分を切り落としポケットにしまう。
「それじゃあなるべく早く移動しよう、長居してもいいことはないしな」
「そうだな、マタイの言う通りだ」
その後はオルミール沼地から1時間程度歩いた平野と沼地の境い目あたりで野営する事にした。