救世主
村の付近に無数のトロールの姿があった、数はざっと数えて40体程度。
裕太とミリスは馬にまたがり村の外でその光景を眺めていた。
「なぁ、ミリス、あのトロールの大群はどう倒す?」
「無理ね、逃げましょう、今回の依頼は失敗よ」
「おい、待てよ⁉︎ 村の人を見捨てるのか‼︎」
裕太はミリスを引き留めようとする。
「仕方ない、私達もあんなの相手にしたら死んでしまうわ、確かに思うことはあると思うけど諦めて」
「......確かにそう……だよな」
裕太を下を向きボソリと答える、納得はしたがどこか納得したくない自分がいた。
「村人にバレないように逃げましょう、顔を合わせたら気まずいわ」
ミリスは馬の手綱を引き馬を走らせる、それと同時にトロール達が咆哮を上げて村に一斉に走っていく。
ミリス達にそんなのは関係ない村を遠ざかる様に逃げようとする。
しかし裕太達の進行方向にある一団の姿が見えた。
彼等は誰もが黒のロングコートの様な物を見に纏っており全てが青色の水晶を持っていた。
更に彼等の頭上には灰色の2メートル程度の鎧が無数に浮遊していたのだ、その鎧の中に人が入っていない事は一目でわかるだろう、なぜなら鎧の形は人間が収まらないような奇形だったからだ。
ミリスはその集団を視認すると馬を止める。
「ミリス、あれは?」
「あの集団は......不味いわね、流石にあそこを突き抜ける勇気はないし迂回しようかしらね」
ミリスが進路を変更しようとした時だった。
空飛ぶ鎧達は一斉にトロールに向かい飛翔して行く。
鎧達はトロールに一斉に斬りかかっていく、首を集中的に狙っており次々に切り倒して行く、対してトロールの拳は鉄すらヘコませるとされてるが余程硬い金属で作られているのか浮遊する鎧にはダメージが全く入ってない様だった。
「ミリス、彼奴らトロールを攻撃してるし味方なんじゃないか?」
「どうだかね......信用は出来ないけど」
「にしてもあの鎧みたいなの強くないか? トロールを一方的に虐殺してるぞ」
「恐らくは聖帝の特殊部隊ね、私とは相性があまり良くないのよ」
「聖帝って何だ?」
ミリスははぁまたか、と深い溜息を吐く。
「神聖リユニオン帝国の略称よ、どんな辺境の者でも名前くらいは知っててもいいんだけどね、私はあの国がだいきっらいだけど」
ミリスは余りその国にいい思い出がないのであろう、どこか複雑な表情を浮かべていた。
その黒衣の集団から一人の男が徒歩でミリスと裕太の元へやってくる。
「少しお話を伺いたい、同行をお願いしたい」
「貴方達は?」
「我らは神聖リユニオン帝国特殊部隊聖王庁第6課権威の紋章の一部隊だ、私は分隊長のバラロッサ・フールンだ」
男はそう名乗った。




