エピローグ 生徒会室にて3
最終話です。
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園芸部の杏から秋桜の花を貰ったので生徒会室の一輪挿しに飾りながら、先に出て行った松葉杖の吉田の荷物を持ち、「お先に失礼します」と慌しくドアを開けて出て行った伏見を見送る。
実琴が一人になったのを見計らっていたかのように、八代が現れた。
「やっほ。実琴ちゃん、遊ぼうか。」
「…もう、ほんと自由人ですね。八代さん。」
実琴は呆れた視線を向け、秋桜の花を八代に見せた。
「秋って感じがするでしょう?」
にっこり笑う機嫌の良い実琴を、八代はどこか眩しそうに見つめて言った。
「それより、良かったの? あの封筒の中身を見ないで。」
八代が聞いたが、実琴は、
「いいんです。あれは私が読むべきものではありません。」
ときっぱり言った。
多分、読めば生徒会二年書記の吉田司と、一年書記の伏見雫、そして二年の小金沢誠の関係と、杏が見たという鏡に映った吉田の表情の謎が解けるかもしれない。しかし、それは実琴が関わることではないと実琴は思った。
「それに……」
3人の写真を見た後の伏見の何かを決意した表情。
それを見た時、実琴がお守り袋を見つけたことは無駄ではなく、そしてそれ以上踏み込むことはしない方がいい、となぜか直感的に思ったのだ。
実琴はドアの向こうに消えた吉田と伏見の後ろ姿を思い出した。
そんな実琴を見ながら
「…君のそういうところが好きだよ。」
と、八代が独り言ちる。
「え、八代さん、何か言いました?」
「いや、君と一緒にいると退屈しないなあって思っただけだよ。」
八代にふわっと笑いかけられて、実琴は顔が熱くなるのを止められなかった。
最終話、終わりました。
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