第九話 ある少女の日記2
◯月×日(日)
マコ兄がバスケで膝を痛めて、もうバスケができないと聞いた。
病院に見舞いに行ったけど、ものすごく落ち込んでいた。
一年でまだベンチ入りもしていなかったけど、レギュラー入り目指して、毎日遅くまで練習していたのに。
どうして……
◯月×日(火)
毎日、マコ兄に会いに行ってる。
会って話しているときは元気そうに見えるのに、今日病室に入る前、マコ兄の泣いている声が聞こえた。
マコ兄を、支えてあげたい。
私じゃ、たいして力になれないかもしれないけど、少しでも気がまぎれる様に…
◯月×日(金)
どうしよう、病室でマコ兄がひどく頼りなげに見えて、つい抱きしめてしまった。
それを、彼に見られた。
追いかけたけど、彼からマコ兄のことが好きなの?と聞かれて、違うって言えなかった。
ずっと彼を待たせてた。
やっと最近、彼に彼氏彼女としてちゃんと付き合おうって言ったばかりなのに、彼からすごく嬉しそうによろしくって言われたばかりなのに。
どうしよう…
◯月×日(月)
彼ときちんと話したいと思っているのに、メールしても、電話しても無視されてしまう。
マコ兄のことも気になって、どうしたらいいかわからない……
◯月×日(火)
マコ兄が退院してきた。
バスケ部は自主退部するって言っていた。
大好きなバスケが続けられないなんて、辛いよね。
マコ兄を慰めてたら、抱きしめられた。
そばにいて欲しいって。
彼女とはいつの間に別れていたらしい。
私は…
◯月×日(水)
彼からメールがきた。
君は最後まで僕を見てくれなかったね。
君の好きな人が彼なのは薄々気づいていた。
僕は彼には敵わないかもしれないと思った。
でも、君を好きなのは僕で、いつか彼を諦めてくれるならと思った。
だから、君が彼氏彼女として付き合おうと言ってくれたとき、本当に嬉しかった。
でも結局君は彼を自分の方に向かせることに成功したから、僕はもう用済みだ。
おめでとう。
…こんな内容だった。
涙が止まらなかった。
病室で私達を見た時の彼の酷く傷ついた顔が、目の裏にこびりついて離れない。
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