第七話 大使館の知り合い
昨日は管理人さんの家に泊めてもらって、いろいろ相談にものって頂いた
「情報局とかいう連中はなんだか高飛車で失礼なやつらで、あんなのまともに相手にする必要ないよ。」
「一度捕まって車の中に押し入れられました。その後も毎日つきまとわれています。」
「留学生なんだからお国の大使館とかに連絡した方がいいかもしれないな。」
「そうですね。大使館なんて一回も行ったこと無いですけど、何か力になってもらえるかもしれません。」
今日は早速、お国の大使館を訪れることにした
行ってみると、中央区のオフィス街にあるビルで、大使館というよりは会社のような感じだ。
入館すると日本人の受付女性が出迎えた。
「いらっしゃいませ。どのようなご用件ですか。」
そこでの対応はシンプルで、日本に来て数年で小物店をやっているL.Lさんを紹介するので相談して下さいとのこと
今日はまだ時間があるので、スグにL.Lさんのお宅を伺うことにした。
L.Lさんのお宅は23区の外れで駅前商店街の外れにあるお国のグッズを扱う小物店だ。
そんなに売れている感じではないけど、お国の人のタムロ場所になっているようだ。
小物店だけど、スパークリングジュースなども置いてあって一服できるようになっている。
まずは、久々に自国語で話せてホットした感じだ。
今、情報局につきまとわれていることを話すと、それはヒドイ話なので注意するようにお願いしてくれるとのこと。
そういうルートはちゃんとあるんだ。
もっと早くに相談すればよかった。
更に、家までつきまとわれていることを話したら、今日は泊めて頂けることになった。
ほんとに助かった。これで今日のところは情報局から追い回されないで済む。
明日以降も話をつけてもらえそうだし、L.Lさんには感謝感激。なにかお礼は出来ないかしら。
そんな楽しい雰囲気で、今日一日終わりそうだったのだが、問題はそこから起きた!!!
泊めて頂けるということで喜んで2階へ上がったら、そこには見慣れない物が並んでいたのだ。
このかた優しそうだけど、銃器の違法コレクターらしいのだ。
猟銃、小型のピストルから、スコープ付きのライフル、それだけでなくマシンガンまである。
L.Lさんと親密にすると、それこそこっちまでテロリスト扱いされそうだ。
「あーあ、見られちゃったな。でもけっこういいでしょ。」
テロリストという訳ではなさそうだけど、他のかたと一緒に爆発物も作っているようだ。
マニアだけどかなり偏っている感じだ。
「このロシア製のマシンガンの横で寝てみてよ、いい香りだ。ぐっすり寝られる。」
お世話になってるが、もしテロリストだったら通報するところだけど、単なる趣味のようだ。
深入りしてもかえってまずそうだし、あまり落ち着かないけど今日はマシンガンの横で寝させて頂くわ。
がんばろう。良いことがたくさんありますように。