第四話 ちょっと慣れてきたんだけど
今日は珍しく朝から管理人さんがやって来た。
「XXXXXさんおはよう。あの後、変なカメラの方はどうだい。」
「あっ、別に大丈夫そうで、気のせいだったのかもしれません。」
「まあそれなら良かった。
実は今日来たのは、空いてる205号室のことなんだけど、
今日の午後、留学生の女の子が入ることになったんだ。
あんたも先輩になるんで、よく面倒みてやっておくれな。」
「えーすごい、私も先輩ですね。がんばります。」
「新しく入るのはインド人の女の子だ。
なんだか難しい勉強をしてるそうで、人工衛星を日本の大学と共同で開発するそうだ。
会った感じ普通の女の子だけど、たぶんものすごく頭のいい人なんだろう。
っま、仲良くやっておくれな。」
なんだかすごい人が来るみたいだ。
楽しく仲良くできるようにがんばろう。
その日の夕方、学校から戻ってくると、もう205号室にはだれかいるようだ。
ちょっと怖そうな話もあるが、思い切ってこちらから行ってみることにした。
「こんにちは~。初めまして、201号室の者です。」
んんー?反応が無い
「こんにちは~。聞こえないのかな。こんにちは=!!」
ガタガタッ「どーぞー」
「いいですかー?入りますよー。」
だれもいない、んー。
ベットでだれか寝てるみたいだ。ヘッドホンで音楽を聞いてるらしい。
「こんにちは、おじゃましまーす。201の者です。」
ゴソゴソッ。こっちを振り向く。
「ああーいやだー、だれーいきなりー。」
「初めまして。201のXXXXXです。よろしくお願いいたします。」
「Y.Yです。先ほど来ました。仲良くしてください。
写真撮りましょー。イエーイ。(パチッ)じゃあ、今度ゆっくり話しましょう。」
よかった、心配したように気難しい人ではないようだ。
がんばろう。良いことがたくさんありますように。
次の日の朝
Y.Yさんが出がけに201によってくれた。
「これ、昨日の写真ね。USBでいいかな。コピーしたら返してね。」
「ありがとう。学校のPCでコピーするので少し貸してください。」
そろそろ私も登校しないと。学校へはちょっと慣れてきた。
まずはいつもの川沿いの道。 だが背後から
「おはよう、XXXXXさん。今日も時間どおりだね。」
「だれですか、あなたたちは。全く知らない人ね。」
「悪いがちょっとこちらへ来てもらおう。」
黒服の男達に無理やり車の中へ押し込まれる。「助けてー!」
「おい荷物を確認しろ。」
「USBが1つありました。」
「よし、メモリ内容の確認だ。」
小型のノートPCでUSBメモリの内容を見ている。
「あった、ありました。やはり問題のB1CZYYが持ち出されています。」
「お前たちが国家機密を持ち出そうとしているのは分かっている。」
「それはY.YさんのUSBで、元から入っていた内容よ。国家機密ってなんのこと。」
「しらばっくれてもだめだ。ほかにも持ち出した情報があるだろう。全部教えるんだ。」
その時突然、木陰からカメラの音が(~~パシパシパシ~~)
「情報局の連中だな。彼女はおれがずっと撮影していておかしな事はしていない。
彼女の情報の持ち出しというのは誤罪だ。
彼女を釈放しろ。おまえらのやり方は全部撮影してある。
おまえらのやり方をネットに流すぞ。」
「ちっ、今日のところは引き上げるが、今後テロリストとしてマークされるのでそう思え。
じゃあな。」(早々に撤退する男達)
「あんたはカメラ写りがいいんで、ちょこちょこ撮らしてもらってたんだが、
こんなところで助けるとは思ってもみなかった。
今日のところは早いとこ帰ってインド人の娘に相談した方が良さそうだよ。」
「私のことカメラで撮っていたのはあなたですか。それは困るけど、、、
とりあえず助けてくれて有り難う。」
がんばろう。良いことがたくさんありますように。