第三話 初登校とカメラマン
今日は初登校だ
学校へは乗換えがあるが40分位で来れそうだ
華やかでみんな楽しそうに見える
私もこんな中にうまく入っていけるだろうか
「新入生?留学生?もう部活決まった?」
「こんにちは。私、学校は今日初めて来ました。
まだ何も分かりません。よろしくお願いします。」
「あっ、じゃあ丁度いいや。テニスなんてやるほう?
もしよかったら軽く打ってみない?
みんな親切で留学生もいるので安心だと思うよ。」
「えっ、テニスは少ししかやったことないです。」
「大丈夫、大丈夫。ほんの2,3分だから打ってこうよ。」
「でも汗をかいたら困ります。」
「こっちでユニホームもお貸ししますので。Lの25用意して!」
なんだか急にテニスすることになってしまった。
実はテニスは子供の頃からやっていたので全く出来ないわけではないのだ。
いきなりけっこう打ちあってしまった。
「なんだ。すごいうまいんじゃない。これなら大会出られそうだよ。」
あれ? ~~パシパシパシ~~
今、カメラの音がしたような。
どのくらいのレベルなのか、もう記録してるのだろうか。
~~パシパシパシ~~ やっぱりカメラだ。
「お疲れ様。良かったよ。ぜひテニス部に入って下さい。大歓迎です。」
「もうカメラで記録するんですか。そんなにうまくないし困ります。」
「えっ、そんなことしてないですよ。気のせいじゃない?」
別のところの撮影だったのかな。
とにかく指定時間スレスレだ。走って受け付けに。
~~パシパシパシ~~ またカメラの音だ。気にしすぎかな。
何とか受け付けにも間に合って、説明を受けた。
やっぱり皆さん1つは部活に入るそうなので、私ならテニス部かな。
でも、かるたとか日本らしいものも興味あるし、どきどきしてる感じだ。
ちょっと買い物して自宅へ戻る時、川沿いを歩いていると
また背後からカメラの音が ~~パシパシパシ~~
これはぜったい変だ。だれか私を撮っている人がいる。
何故?留学生だから?
部屋に戻って、今日もらった書類など読み返していたら、管理人さんが来た。
「昨日はすまなかったね。これでばっちりだからね。」
電燈を点けてくれた。これで一安心だ。
「ありがとうございます。
あのう、管理人さんに相談したいことがあるんです。
だれか私をカメラで撮る人がいるんです。学校でも歩いていても。」
「そりゃ変だな。あんまりヒドかったら警察に届けた方がいい。
XXXXXさん美人だからカメラマンにつきまとわれてるのかもしれないな。」
「そんなことあるんですか。気を付けるようにします。気のせいだといいけど。」
がんばろう。良いことがたくさんありますように。