第二話 住人と新居の秘密
夜になって、建物の住人がだんだん帰ってきた
隣の202号室はベトナム人の女の子だ。
わりとフレンドリーな感じの娘で安心した。
日本にはアニメの勉強をしにきているそうだ。
専門学校に通っていて2年目。
日本語は私の方がちょっとうまい感じだけど、いろいろたよりになりそうだ。
203号室は韓国人の女の子。
卓球の得待生だがBクラスなので、大久保のスーパーマーケットでアルバイトしているそうだ。
合宿も多くて、留守にしていることが多いらしい。
さっきちょっと合った204号室の黒人の女の子はカナダ人。
あんまりフレンドリーではないみたいだけど悪い人ではなさそうだ。
医療関係のことを勉強しているらしい。
一番右の205号室は、今のところ空いているみたいだ。
2階は留学生の女の子ばかりで、1階は男性ばかりだが留学生の他に社会人もいるようだ。
部屋のシャワーを使おうと思ったら、出るんだけどちょろちょろだ。こんなものなんだろうか。
照明も点いたり消えたりしていて、まだ周囲が明るいからいいけど、なるべく早く管理人さんに修理してもらおう。
電話をしたら話のとおり、5、6分で管理人さんが来てくれた。
「ああ、悪かったね。水道ね。元栓閉めたままだったんだ。よいっしょっと。これでいいだろう。
あと、電燈ね。持ってきたんで取り替えるよ。
あれ、サイズが合わないな。
買ってこないと手持ちがないんで、悪いけど一晩待ってくれ。
懐中電灯おいとくんでよろしくね。」
ありがとう、よろしくお願いします。
とりあえず、近所のコンビニエンスストアで、水とサンドイッチを買った。
いろんな物が売っているが、意外と食べられるものは限られる。
明日からは材料を買って自分で料理しよう。
フライパンと鍋も前の住人が置いて行ってくれた。何かすごくラッキーな感じだ。
部屋に戻ってきたらもうまっ暗だ。
カチッ、懐中電燈を点けて、食事をすることにした。
水もサンドイッチもとてもおいしい。やはり日本はすごい。
懐中電燈で部屋中を照らすとシャワールームの他に左の奥に扉があるのに気がついた。
何だろう。物置だろうか。
踏み込んで扉を開けた。エッ
河 _足元には何も無く高さ10m位で河に面していた。
真っ暗で落ちないで良かった。
何のため。びっくりルームみたいだ。寝ぼけて落ちないように気をつけよう。
とりあえず今日は早く寝てしまったほうがよさそうだ。
持ってきた毛布を出してくるまった。
がんばろう。良いことがたくさんありますように。