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私じゃないの  作者: 長谷川ラジオ
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第一話 日本に到着 希望でいっぱい




イスラム教の国の女子大生が留学で東京の下町にやってきた。

勉強していた日本に来れて本当に希望でいっぱいわくわくだ。

専門は情報処理。日本で高い技術を学習して、将来はアメリカのコンピュータ企業に就職したいと思っている。


紹介してもらって下町のワンルームに住むことになった。

今日は空港から荷物を持って、住居まで向かっているところだ。

日本の鉄道などの施設はちょっと分かりにくいところもあるが、それでも事前に勉強してきた情報を参考にして、なんとかここまでやって来た。

それに心配だったけど、日本の人はみんなとても親切だ。

子供から若い夫婦、おじいさんおばあさんまで、みんな親切に笑顔で相談にのってくれる。

これまでにいやがったりする人は一人もいなくて、それに関しては考えていた以上だ。

日本人は本当にみんな親切だと思う。

日本のことを勉強して日本に来れて本当によかった。

タイヤのついた旅行用のバッグをゴロゴロひいて、住居に一歩一歩近づくごとに胸はエスカレーションしていく。

住居はこの橋を渡ってすぐだ。


ついに着いた。たぶんこの建物が私の住居だ。

建物は2階建てで、河に面している。

私のうちは多分、2階の一番左、201号室だ。

2階への階段をバッグを持って上がるのはちょっとたいへんだけど、あともうほんの少しだ。


2階に着くと、204号室の扉があいた。出てきたのは黒人の女の子だ。赤いチェックのエプロン、アルバイトだろうか。

「こんにちは、今日から201号室に住むことになりました。XXXXXです。よろしくお願いします。」

頭を深々とさげて、丁寧に笑顔で日本風のおじぎをした。

相手の女の子は無表情で何も言わない。私の足の先から頭の上までのぞき見るようにして、そのまま行ってしまった。

きっといそがしかったのだろう。

それと入れ替わりに老人男性が階段を上がってきた。

「ああ、あんたがXXXXXさんかね。一番奥の201があんたの部屋だからね。狭いけどトイレとシャワーはあるからね。

家具も前のひとが残していったものはそのまま使っていいよ。

 まあ何かあったらここに電話して。近所に住んでるんですぐ来るよ。じゃあね。」

行ってしまった。今のが多分、建物の管理者だろう。


201の扉を開けた。日本らしい畳の部屋だ。静かで、なにか空気が冷たい感じだ。

前の住人が家具を残していってくれたのはラッキーだ。

小さいキッチン、トイレとシャワーもある。

まずは部屋の角にバッグを置いて、畳の上に大きく広がった。

がんばろう。良いことがたくさんありますように。


挿絵(By みてみん)

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