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第五十一話

 『今、出て来ました…。

 コロウさん、アジア有数の巨大マフィア、華中会の解散とは一体どういう事でしょうかっ!?』


 『さっきも言ったように、その件に関しましては事実です。

 もう手続きもすませましたし、我々もいろいろと支度がありますので、それでは…。』


 あの事件の三日後、自分達に届いたニュースは驚くべきものだった。


 『華中会の解散』


 おそらく、今日の世界の一大ニュースだろう。


 その手続きを済ませて出てきたコロウは、早速マスコミに絡まれており、自分の車両に辿りつくまで部下たちが懸命に道を作っていた。


 『一部の専門家の意見の中では、漆黒の魔道士が原因ではないのかという見解があるのですが?』


 その一言にコロウがくるりと向き直ると、マスコミが黙り、カメラのフラッシュだけが奇妙に聞こえた。


 コロウの言葉を待っているのに静かになったワケではない。


 良く見るとコロウだけではない、アシェン、レミオ、華中会の部下、全員がそのマスコミを睨みつけているのだ。


 『彼は、少なくとも原因ではありません。

 あの時、私の間違いで敵と言ってしまった事を、この場を借りて取り消さしてもらいます。』


 『ちょ、ちょっと待ってください。

 それで一般市民は納得出来ると思っているのですか!?』


 そう言って、マスコミは正義の味方のつもりなのだろうか、それを気取って、コロウの進路を前に立つがコロウはしばらく黙って一つ聞いていた。


 『キミは、マスコミだろう?』


 『は、はい、そうですが?』


 『私の職業は?』


 『マ、マフィアでしょうか』


 『少なくとも、世間とはかけ離れた日常、生活、価値観を持っている人種だと心得ているつもりです。』


 『私たちが知りたいのは真実ですっ!!

 それだけなんですよ!?

 あの狂人と何があったんですか!?』


 一瞬、チラリとアシェンを見た感じがしたが、眼鏡を掛けなおしすぐに言い返した。


 『私だって、そんな人種が、彼をどう弁解しても通じないと心得ているつもりです。』


 一言そういって、失礼と一言断ってそのまま車に乗り込むとそのまま発進した。

 後ろの席にちらりとだが、メイが座っていたのが見えた。


 「これで漆黒の魔道士が華中会の先代を殺害した事件が終わったわけだが…。」


 映像が切り替わったのを見て、レフィーユがこう言ってきた。


 「納得いかんな…。」 


 「どうしてですか?

 確かに華中会が解散に向かったのは残念ですけど、少なくとも『結末』はこれで良かったと私は思ってますけど?」


 学園の敷地を抜けて、一際道幅の広く、長い一本道を歩いていると高そうなコンポーチブルに乗ってきたレフィーユが学園内に入っていった…と思いきや、Uターンしてきて、ただ今、ローギアで併走して備え付けてあるカーナビでテレビを見ていた。



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