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第二十二話

前回、実は3500文字書いてました。

ですが、何の手違いかPCにおける×印を押してしまいました。


ようやく書き上げたものが、削除されてしまいました。


…即興って、こえーな。


それでもって、前回の書き直し部分を今回に回したって感じです。


ホント、スンマセン…。

 「漆黒の魔道士をつれてきたのじゃ。」


 明るくメイが部屋にノックをして扉を開けたが、いきなり身体を硬直させた。

 なんだろうと思い自分が覗こうとすると、先にメイがオキナに駆け寄ったので異常があったのがわかった。


 「お爺様っ、お爺様っ!?」

 メイはチャイナドレスが汚れるのも構わずオキナの身体を揺すっていた。


 オキナの首には綺麗に横一線に切り傷が入っていたので、分かりすぎるくらいの他殺だった。


 この状況に驚かない人間はいないだろう、その事が盗聴器を仕掛けられていた事を自分は数秒ほど忘れてしまっていた。


 「何だっ、この騒ぎは…っ!?」

 あっという間に入ってきたのはコロウだった。


 「お前なんという事を…。」

 「違うのじゃ、兄様っ、この者は何にもしておらんのじゃ!!

 それより早く救急車を呼んでくれっ!!」


 コロウはこちらを睨みつけたまま、秘書をオキナのそばに駆け寄らせた。

 秘書はコロウに耳打ちをして、コロウはさらに舌打ちをして自分に言い放つ。


 「メイ、コイツは漆黒の魔道士だ。

 きっと、闇を使ってオキナを『殺害』したのだ。」


 『そうだろう?』とまるで決め付けるような言い方だった。


 「『違う』って言っても信じないでしょうね。」

 「この状況で、何が違うというのだ?

 メイ、こっちに来るんだ。」

 「兄様、どうしてメイの言う事を信じないのじゃ!?

 この者は何もしてはおらぬ、まして殺害など…!?」 

 「それはさっき言ったように、私が『危険人物』だからでしょうね。」

 「そんなっ!?」


 周りの手下たちが自分達の入って来た場所を塞いだ。

 当然の事だが殺気が自分に集中してきたので、もう取り付く暇もないのがわかりきってしまう。


 だが、メイは自分の手を握り言って来た。


 「ど、どうして、兄様は私の言う事を聞かんのじゃっ!?」

 「メイ、こんな時にわがままを言うんじゃない。」

 「兄様、どうしてですか!?」

 「黙れっ、いいからこっちに来るんだっ!!」

 

 メイは明らかにおびえる表情をみせたので耳打ちをした。


 「メイ、こういう状況に何度も会っているからわかりますが、この状況って、もう何を言っても無駄な状況なんですよ。」

 「じゃが、それではお前は疑われたままになるではないか…。」

 「いいのですよ。慣れてますから。

 それで私は考えたのですが、とりあえず貴女に怪我をしないように、貴女の兄様、コロウに明け渡す事にしようと思うのです。

 …私は、その隙に逃げますよ。」


 そう耳打ちをして、諦めてコロウの前にメイを差し出そうとする。

 だが、メイは自分の手を放そうとしないで、まるですがる様に首を振りこちらを見たのだ。


 「…てくれ」

 「はい?」

 「教えてくれ、ワシはどうすればいいのじゃ?」


 「ここは貴女に任せますよ。」

 「なっ、何をする気じゃ?」

 「この状況は自分でも出会った事がなかったのでね。

 ですので、私は貴女の取った行動に合った行動を取ってあげようと思うのですよ。」

 「手荒な手段ではないであろうな?」

 「手加減は出来るだけするつもりですが?」

 

 「……。」

 

 「暴れるの前提か?」

 「相手が相手ですよ?」

 「ダメじゃ、他の手を考えてほしいのう。」

 「じゃあ、妥協して器物破損。」

 「もう一声行ってほしいのう。」

 「これ以上いくと、メイを差し出すって事になりますよ?

 それで改めて聞きますけど、貴女はどうしたいのですか?」


 何も言わず、ただ自分の目を見つめて手を強く握り絞めたので…。


 深呼吸一つと身に纏った法衣を翻すように隣の壁を打ち抜いた。

 そして、そのままメイの手を握り締めて空いた部屋に突っ込み、ドアから出てくると見せ掛けて、その隣に壁を蹴破って逃げ出した。


 「な、なんだこれはっ!?」


 急にコロウたちの足元の影がうごめき、周囲が騒ぎ出した。

 そのまま逃げ切るまで、動けなくなってもらいそのまま逃げ切ろうと思った。


 「残念だったな。もう逃げられないぞ。」


 秘書を腕に絡ませて、待っていたのはキジュツだった。


 「よし、でかしたぞ。

 おとなしく捕まれ、逃げられるワケがないだろう。」 


 連絡通路中腹辺りで、次男と三男に挟まれてしまう。


 「の、のう、どうするのじゃ?」


 二人とも勝ち誇った表情で自分を見ていたが、自分はただ両手を広げゆっくりと力を込めた。


 「ぬうぅぅぅ…。」

 「そんなに悔しいか…!?」

 

 だが、自分にとってもここが『重要な』ポイントだった。

 両方の通路の天井と床が同時に競り上がる。


 「ぅぅぅおお…っ!!」


 自分達がいるところだけ落ちる様に握りつぶして両断するは連絡通路。


 「メイ様っ!!」


 秘書がいち早く自分が何をしようとしているのか解ったのだろう。

 東方術で青龍刀を作り出し、閉じゆく自分目掛けてそれを投げた。


 「ふんっ!!」


 身体を捻り避けると同時に絞り切った通路部分が下の市外に落ちた。


 「大丈夫ですか?」

 天井をこじ開けてメイに聞いてみると、市外はもう大騒ぎを起こしていた。

 けが人がいないのが幸いだった。


 「逃げますよ。動けますか?」

 「逃げるといっても、どこにじゃ?」


 その時、コロウの秘書が自分たちを追うように青龍刀を振りかぶりながら飛び降りて来たので、闇を放ち空中で捕らえてビルに貼り付けて動けなくした。


 「いいから行きますよ!?」


 手を取りメイの身体を抱きかかえて、そのまま自分は中華街を走り抜けた。


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