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第二十一話

 数分後、背伸びをしながら、目的の場所についたので自分は車を降りた。


 結果はどうであれ、あの怪物を作った3人は死亡した。

 その事をオキナに報告をするためだ。


 あの戦いの後、下に戻るとレフィーユと一緒にいたのは、華中会の連中とコロウだった。

 まさに一触即発しかねなかった雰囲気だったが、間に入りレフィーユには『そう言えば、そんなヤツを見たな』と言ってユカリの確保を頼み。

 コロウには『オキナに報告したい事がある』と言いコロウ達の車に乗り込んだのだ。


 「……不快だ。」

 そして第一声がそんな事なのにはワケがある。


 この場所に着くまでずっとコロウが『オレの傘下に入らないか?』と繰り返す様に言ってきたのだ。


 当然、まるで自分がこの華中会の総帥になる事を前提とした言い方だったのもあり、自分を始めから悪役扱いするので、断る意味合いを込めて無視した。


 「おおっ、お主は魔道士ではないか…な、なんじゃ、なんで、そんなに不機嫌なのじゃ?」


 闇で顔を纏って隠していたのだが、不機嫌丸出しなのがわかったらしい。

 コロウを出迎えにやってきたメイが、自分を見つけてそんな事を聞いていた。


 「ああ、これは、すいません、車内でいろいろとありましたから…。」

 「メイ、この男と私はこの華中会の未来について話をしていたのだ。

 お前が聞いて良い話じゃない。」

 そんな感じでコロウがしゃしゃり出てきて止められた。


 「…わかったのじゃ、兄様。」

 「別にいいじゃないですか、その話はもうなかった事にしてくださいよ。」

 「ふん、オレは諦めないぞ。いいか、オレは…。」


 その時、秘書に次の予定を告げたのでその場を後にするコロウ。


 それを見送りメイにオキナのトコロに案内させてもらおうとお願いすると、メイは快く快諾してくれた。


 「あっ、兄上。」


 このメイが兄と表現する時は、様々な意味を持っているらしい。

 今度はキジュツに出会ったのだ。


 「おっ、お前、どうしてっ!?」

 「いえ、そんなに驚かれても、ただ私はオキナに頼まれていた事を報告しようかと思ってやってきただけですから、そんなに警戒しないでくださいよ。」

 「頼まれた事?」

 「はい、一応、経過報告ですけど、一段落付いた感じですから。」

 「そうか、わかった。」とキジュツが頷くの見るていると、まるでコギャルを絵に書いたような女がこっちに向かってきた。


 「あれは…?」

 「私の秘書だ。

 じゃあ私はこれから用事があるから、メイ、結果報告を先代に伝えに案内を頼んだぞ?」


 「うわ、あいつ『漆黒の魔道士』じゃん。ヤバくない?」

 その『秘書』は、キジュツの腕に抱きついてそんな事を言い出していた。


 明らかに秘書じゃないな…。


 キジュツは『ヒョヒョ』と気味の悪い笑いを上げながら同意して、そのままどこかに行ってしまった。


 「のう、お主、お爺様に何を頼まれたのじゃ?」


 今いたビルから隣へのビルへと続く連絡通路に差し掛かるとメイがそんな事を聞いてきたのでメイの方を向いた。


 「べっ、別に組織に関わる様な事だから話したくないのなら、言わなくていいぞ。」

 「いえ、そんな事ありませんよ。

 貴女の兄を殺した怪物を作った相手を探し出せと頼まれてましてね。」


 「兄者を!?」

 「長男は兄者なんだ。」

 「んっ、何の事じゃ?」

 「いえ、何でもありません。

 まあ、偶然ですけどね。その三人とも死亡が確認できたので、報告しておいた方がいいだろうと思ったのですよ。」


 「なるほどのう。」頷きながらメイは、一際大きなトビラで足を止めた。


 どうも着いたらしい。


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