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第二話

原則として、ここに小説書いたらダメらしいので、修正しときます。

 「ふっ、当然だな。


 この学園の治安部に入るという事…そのために私はこの学園に来たのだからな」


 『おお』と歓声が上がる周囲、続けて私は、その『よく』知った人物に話を続ける。


 「この地域は『漆黒の魔道士』という怪人が現れるのだろう?」


 「確か『闇』を使うっていう、西方術者でしたね?


 この地域は、よく現れますがソレがなにか?」


 その男は隠すつもりがないのか、周囲にバレぬ程度に見え透いたトボけ方をする。


 「彼にはいろんな意味で世話になったからな、私は『借り』を返しに来たといえば、いいかな?」


 私はおそらく笑っていただろう、その見え透いた冗談に。


 「はあ…。


 レフィーユさんくらいの人に追われる事になるとは、その人も大変ですね。


 きっと貴女なら出来ますよ。


 がんばってください、応援していますよ」


 外野の視点から見れば普通の激励に見えるだろう。


 だが、彼がそんなつもりで言ったのでは毛頭ないというのは知っている。


 『でわ』と人ごみに飲まれながら去るその人物の顔を私は忘れもしない。


 『漆黒の魔道士』なのだから。


 「ああ、聞き忘れていた…」


 今度こそ聞いてみよう、キミの名前を…。


 「シュウジ・アラバです。


 『はじめまして』レフィーユ・アルマフィさん」


 …悪い冗談だ。


 その冗談に私は笑ってしまう。


 だから…。


 「レフィーユ・アルマフィだ。


 改めて、『よろしく』」


 私は蔓延の笑みを込めて、挨拶してやった。


 ……。


 あれから午前の授業が終わり、時刻は昼休憩、自分は食堂でピザパンを買い、普段は鍵で開かないはずの屋上の扉を『能力』で開け、昼食をとる事にした。


 正直、有名人がいるクラスという事は想像を絶していた。


 まず始めに、休憩時間になると人だかりができるという事。


 まあ、この辺は予想は出来ていたのだが…。


 しかし…。


 『お前は(あなたは)レフィーユさん(おねえさま)と、どんな関係?』


 この事態。


 予想外な事で自分は注目されてしまい、予想以上に大変だった。


 ほんの1時限前は『何でもないです』などといった模範にてきした回答をしていると…。


 「そんな事はないのではなくて?」


 一人の女子が声高にそんな事を言い食い下がってきた。


 殺意に近い目線、そして血走った目をこちらに向ける女子。


 レフィーユ様FCの会員2ケタ台の女、ユカリだった。


 「みんなレフィーユお姉さまに話し掛ける事をしましたけど。


 名前を聞かれたのは、あなただけですもの。それはどういう事かしら!?」

 

 『ら』のあたりで周りがざわめき出すので、自分でも沈静化を急いだ。


 「周りが質問攻めし続けるからじゃないのかな?」


 そんな妥当な言い分で誤魔化そうとするが…。 


 「あなたはお姉さまが名前を聞くという行為が、どういう事なのかわかっていらっしゃらないのですわね!?」


 だが『いいこと』と腰に手を当てて、その行為の重要性とやらを勝手に説明しだした。


 取り繕う暇も与えないトコロで理解出来てくるだろう。


 レフィーユ絡みになるとユカリは性質が悪かったのだ。


 だが聞くところによると、レフィーユ『お姉さま』は気に入った人物にしか名前を聞かないのだと言う。


 普通なら、そんな事をするのは失礼な事だが、


 「お姉さまは、いいのです!!」


 とユカリは言う。


 だがそれにも適当に誤魔化してチャイムを待つという古典的な戦術で答弁を引き伸ばす、という大人の対応で何とか凌げた。


しかし、この昼休憩…。


「何事?」


落ち着いて食事どころではなくなってしまっていた。


 人だかりで彼女の位置がわかってしまうくらいのギャラリーが、教室に集まってきたのだ。


 さすがにうんざりして、ここにやって来たというワケである。


 ピザパンを味わっていると、『がちゃ』とドアノブの回る音がした。


 『大丈夫、カギで開かないハズだ』


 その内あきらめるだろうと、タカをくくっていたのだが…。


 その音は何というか…。


 ガチャチャ…。


 とても、しつこかった。


 そしてしばらくするとドアの下の辺りにある通気口の溝から『にょきっ』と東方術で作られたサーベルが出てきて。


 パキッと、きれいに通気口が外される。


 あのサーベルは見覚えがあった。

 

 しかし、すぐさま引っ込められてしまったので、その様子を見ていると、右手、左手と、音も無く、まるでどこぞかのホラー映画の様な演出を彩ってはいるが…。


 「お前も屋上に来ていたのか…」


 通気口から四つんばいの体勢でに出てきたのは、渦中の人物、レフィーユ・アルマフィだった。


 「どうした?」


 髪を掻き揚げて凛々しくそんな事を聞いていたが、彼女は四つんばいなので、少し呆れていた。


 「そのままの体勢でそんな事を聞いてほしくないですよ」


 こんな姿を外部に見られたら彼女のどこがどんな事件も解決に導き人物と疑問に思うだろう。


 …だけど、あえて突っ込むと『負け』だと思ったので、早く入ってきて欲しかったのだが


 「ふっ、そう身構えるな。


 まあ、お前とは、一度、話を…ん、まさか、んっ?」


 彼女は四つんばいの体勢で一向に出てくる事は無く、

 

 「はやく入ってくださいよ」


 彼女は必死に足掻きだした。


 「あれ…もしかして…?」


 おそらく彼女に起きているであろう事態を口にしようとするが…。


 「言うな、言わないでくれ」


 顔を俯かせて、そう呟くだけであった。


 「まったくなんて古典的な事をやっているのですか、カギ開けますから一回戻ってくださいよ。」


 「それは名案だ。


 だがな、実は…胸もつっかえて…戻れ…ん」


 とうとうレフィーユの顔が真っ赤になったので、思わず笑いそうになったが。


 「……」


 『とても』目線が怖かったので、笑うと命に関わるのがとても理解出来る。


 「レフィーユさん、押し戻されるのと、引っ張られるのどっちがいいですか?」


 「体勢的に楽な、引っ張る方で頼む。」

 

 その証拠にホントに切実なのだろう、答え方が真剣だった。

 

 内心、可笑しくて堪らなかった、あのレフィーユがこんな間抜けな体勢で、しかも自分が『怪人』と呼んだ人物に助けられようとしてるのだから。


 「いいですか、引っ張りますよ?」


 「一気に頼む」


 「そりゃ、無理ですよ。


 制服破けてもいいんですか…」


 彼女の脇を抱えながら、引き上げようとすると、ちょうど顔が胸の辺りに来てたのでとても戸惑うと。


 レフィーユも、その事に気付いたのだろう。


 更に真っ赤になったので早めに引き上げる事にしたが、前のめりの体勢という事もあり…。


 重なりあって、お約束(ビンタ)で、サルページが終わったのであった。


 「すまない…」


 「…気にしないでください」


 頬が赤くなってるのを鏡で確認しながら、彼女の方を見るともう平常心を取り戻していた。


 世間話を始める一言目に当たり障りのない事を聞いて見た。


 「あ、あのレフィーユさん、昼飯は食べたのですか?」


 「いや、混雑していてな。


 サンドイッチくらいは買ったのだが、食べられなくてな」


 「『食べられない』、具に何か嫌いなモノでも?」


 「お前も知っているように、私には人が寄ってくるって事は知っているだろう?」


 有名人のせいかソレは知ってるので頷くが、それがどうして食べれない事に繋がるのだろうと疑問に思っていると、レフィーユは説明するように答えた。


 「食べる時に視線が殺到して、口に運んだ時に歓声が上がるのを想像して見て見ろ、食べられるか?」


 「ああ、なるほど、意外と苦労してますね。


 ですけど、そこらはしょうがないんじゃないんですか?


 で、何しにここに来たんで?」


 「屋上にでもいけば落ちついて昼食が採れると思っていたのだが、カギがかかっていた」


 「それで『ビンタ』に至ったわけですね?」


 「そんな言い方は無いと思うぞ、お前がカギなんか掛けるから、あんな事態が起きたのだからな?」


 「そんな事言われても、ここは元々カギ掛かってるから、この学園の生徒は誰も使わないんですよ」


 「じゃあ、どうやってお前は屋上に入れた。


 確か、生徒手帳にも書いてあっただろう。


 この学園のカギ類の持ち出しは、緊急時意外は勝手に持ち出したらいかんとな」


 「そんな事、書いてある自体知りませんよ。


 …こうやったんですよ」


 手の平に力を込めるとアラバの手の平から黒い塊が渦巻いた。


 それは『漆黒の魔道士』の持つ、『闇』の西方術。


 そうして再度ドアを開け、闇をまとった手でカギ穴を塞ぐ。


 しばらくして、手を離すとその手で黒い塊がカギ型を形成していた。


 「なるほど、それでカギを開けたという事か、一回聞いてみたかったんだがな。


 お前の持つ『闇』とは、どういうモノなんだ?」


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