第十八話
1500文字って、少ないのかな?
「……。」
ビルの暗闇の中で前を歩くレフィーユの背中を見ていると、その視線に気付いたレフィーユが『どうした?』と聞いてきた。
「さっきから足音を立てずに歩くので、慣れたモノだなと思いましてね。」
「切り込む際には、音を立てずに近くまで行くのが基本だからな。
音を立てずに歩く事くらいは容易い事だ。」
なめないでもらおうと、このビルの2つある階段をアミダくじをするようにレフィーユと二人で音も立てずに歩いていた。
3階、4階と誰も使われていないフロアを調べていると、少し理解した事があった。
「誰もいませんね。」
ビルは全部で6階、夜も深まりこのビルの4階まで誰もいなかった。
それは当然の事だが、このビルにはカギも掛かっていなければ警報装置も付いていないのだ。
ただ確かなのは、ビルの外にはそのトラックが一台止まってた事だった。
「警備員もいないとはな。」
そう言うと階段を上がりながら、いつでも反撃が出来る様に手の平からサーベルを作り出して、それを握り締めながら5階に差し掛かると何か話し声が聞こえてきた。
「…!!…!?」
「あの声は、ユカリですね。良かった無事のようですよ。」
「その様だな。」
ここからでは話しの内容がよく聞こえなかったが、あの金切り声だけは聞き覚えがあったので二人して内心安心しながら助ける事にした。
「ここまでだっ!!」
一瞬の閃光と共にドアを真っ二つに切って踏み込み。
正面から凛とした声で3人の犯人に向けてサーベルを突きつけた。
「おっ、お前は、どうしてここにっ!?」
「お姉さまっ!!」
言うまでも無くレフィーユだ。
「お前たちが何を考えているのかは知らん。
だが、この女子は我が白鳳学園の生徒なのでな。
返してもらうぞ。」
そう言っている間、自分は何をしていたかというと…
そのドアの近くで隠れている事にした。
別にサボってるワケじゃない。
ただ『漆黒の魔道士とレフィーユが一緒に行動している。』という接点を作るワケには行かなかったからだ。
相手は何かの研究員のようだったので、戦闘経験は少ないだろう。
あの程度の相手なら、レフィーユだけ切り抜ける力を彼女は持っているのだ。
それもユカリにあの薬剤を打つヒマもないくらいに…。
ただ一つ、計算外な事もある。
「…いましたね。警備員。」
その警備員は、まるで狼のように前傾姿勢をとっていた。
自分の目の前で…。
『ウオオオォォォ…!!!』
人の姿をした狼は、上に向かって咆哮をあげてこちらに向き直る。
「ぐっ!?」
するといきなり口を開けて火の弾を吐いてきたので、ガードを固めたがまともに喰らって入室してしまった。
レフィーユもそれに注意がいってしまい。
「待てっ!!」
三人はそのスキにユカリを担ぎ、レフィーユは上の階に上がるのを許してしまった。
「おい、大丈夫か!?」
悔しそうに上を見上げて、こちらを心配した。
「少しコゲましたが大丈夫ですよ。」
「そうかアレは一体?」
「このビルの警備員。」
「あんな怪物を警備に雇い入れる会社があったら私は訴えるぞ。
報告とは違うだな、火を吐いてるじゃないか?」
「元は人間ですよ。
前の怪物が東方術を使う前触れがあったように、西方術で火を使えるのでは?」
「なるほど。」
「感心してないで、前見てください来ますよっ!?」