第八話 仲良しこよし
500pv突破しました!
これもひとえに読者様のおかげです。
これからも猫に小判な異世界生活をよろしくお願いいたします。
スズハに問い詰められて、俺はスキル、=能力可視化=の事を話した。それを聞いたスズハとルクスリアはすごく驚いていたが、ルクスリアは俺の事をますます気に入ったようだった。
「我の主人なのだから、そこそこの者だと思っていたが、驚いたな。ユニークスキルを持っていたとは。」
ユニークスキルはもっと持ってるんですがね。
「ほんまよ、驚いたわぁ。うちでもスキルって一個しか持ってへんのに。」
スズハも、ルクスリアに同調するかのようにうなずいた。どうやらスキルをもっといっぱい持っている事は言わない方がいいみたいだ。
「それにしても、さっきの牙哭だっけか?あんな奴ばっかだったら、俺は邪魔なんじゃ…」
俺の問いにスズハは焦りながら俺の言葉を否定した。
「大丈夫。今皆にうちを助けてくれた冒険者にうちの家に住んでもらうって説明したから。」
さっきの用事ってそのことだったのか。何とも行動力の早い事だ。
「そうだったのか、スズハ。ありがとうな」
「ええって、うちも助けてもろたんやし、お互い様やん」
スズハは優しいな。元の世界では優しさとは久しかったから小さな優しさでもうれしい。
「それはそうと、主人。これからもスズハにおんぶにだっこでは申し訳がないだろう、これからの方針を決めてくれないか?」
そういえばそうだ。スズハにずっと世話になるわけにはいかない。
「そのことなんやけど、ヒロキ。うちの村にすまへん?ヒロキみたいに強い人がこの村にいてくれると安心するし。」
魅力的な提案だ、右も左もわからない世界を冒険するのも怖いしな。
「本当にいいのか?」
「ええねん!うちがいいって決めたんやから」
無茶苦茶だ。だが、これでこれからの拠点が決まった。
「そうか、ありがとうな」
そうこう話していると、部屋の扉が開き、一人の獣人―――牙哭が入ってきた。
「先ほどはすまなかったなぁ、お客人。スズハ様を助けてくれたとはつゆ知らず…」
なんだ、素直な青年じゃないか。いろいろ話をしてみると、16歳のようだ。若いな。
「スズハ様が人間の男にまた襲われてるんじゃないかと思って…」
ん?また?
「なぁ牙哭、前にスズハが人間に襲われることなんてあったのか?」
俺の質問に、牙哭が意気揚々と答えようとし、スズハがビクッとして、牙哭の口をふさごうとするが、ルクスリアがそれを止めた。
「そうなんですよお客人。今回みたいにふらっと村を抜け出して、外へ行くことが有るんですよ!そして人間の男に捕まって売り飛ばされかけたことが三回もあったんですよ!」
そりゃ、あんな風にもなるわな。
「なぁ、それを阻止はできなかったのか?」
「それがね、スズハ様がどうやって外に出ているのか誰もわからないんですよ」
なるほど、出入り口が見つからないから、阻止できないという事か。
「ま、まぁそれにしても牙哭。俺はこれからこの村に厄介になることになったから、よろしくな」
これ以上の詮索はスズハがかわいそうだったからやめておく。
「へ?そうなんですか?まぁ、兄さんみたいなつえぇ人だったら大歓迎ですよ!」
スズハもこんなことを言っていたな。獣人達の評価は強さで決まるらしい。
「まぁ、居候になるつもりはないから、よろしく」
「はは、こっちとしては居候でも構わないんですが、そう言っていただけると、心強い。なんせ、俺も元は流れもんですからね。死にかけてたとこを先代の狐族族長に助けてもらったんでさ」
なるほど、狐たちの中に一人だけ狼が混ざっていたのはそういう事だったのか。それにしても、」基本的に獣人は穏やかな性格らしい。
「あぁ、養ってもらうだけじゃ心苦しいからな」
ルクスリアも同意してくれた。
「にしても、その綺麗なねぇさんはどなたなんですか?入ってきたときにはいなかったですが…」
さすが門番らしく、さっきとは一変、鋭い眼光に変わりルクスリアに尋ねた。
今回は雑談回ですね(苦笑)
次こそはもっと、もーっと面白くしますね!
2017/01/27 一部修正&追加