第七話 スキルってこんなに簡単に(ry
「それにしてもルクスリア。お前は魔界に戻ることはできないのか?」
俺は、ルクスリアに聞いてみる。だって急に客人の部屋に妖艶な女性、しかも魔族が現れたら絶対騒動が起こるだろうし。
「出来る事には出来るが…主人は我とともにいるのは嫌か?」
…真意が通じてなかったようだ。心なしか拗ねているようにも見える。
「いやいや、ルクスリアと一緒に居たくないわけがないよ。でもね、此処は狐族の村の中なんだ。そこに急に女性が現れたら」
「おにぃさーん。これからの事なん…や…けど」
なんてタイミングだ。俺の言葉を遮るようにスズハが俺の部屋に入ってきた。
「おにぃさん!?そのお人はどなたです?」
怒ってるよぉ…すごく静か―に怒ってるよぉ…。
「ふむ、狐尾族のうら若き長よ。我は悪魔卿の一柱、ルクスリア・ルブルム。主人の従順なるしもべだ」
ルクスリアのセリフにスズハは顔の色を失う。
「ルクスリア…!?まさか『鮮血の朱』の!?」
俺の知らない所で話が進んでいく。
「あぁ、そうだ。」
「なぁ、『せんけつのしゅ』っていったいなんだ?」
俺の質問に、スズハは信じられないものを見たかのように目を言開く。
「知らへんの!?百年前に王都を地で染め上げた悪魔の名前を」
え、そんなヤバいやつを俺は呼び出したわけ?
「大丈夫だ主人。あの時は、クルシュの馬鹿が約束を違えたから、ちょっとお灸をすえただけで」
「お灸をすえただけで王都が半壊するわけあらへんわ!しかもクルシュってオルトゥス神聖国の二代前の国王様の名前やんか…」
スズハが額に手を当ててため息をつく。
「えーと、要するにルクスリアは王都を半壊させたことが有ると。そういう事?」
「そうだ」「そうや」
…頭が痛くなってきた。
「まぁ、もうそんなことはしない。まぁ、主人から命令されたら躊躇いもなくするがな♪」
ルクスリアは楽しげに言う。まぁ、契約してしまったものは仕方がない。そう思っていると、ルクスリアがとんでもない爆弾を投下した。
「それに、契約を結んだ今となっては我の所持するスキルを全て主人が行使することもできるしな」
「「…はぁ!?」」
スズハと俺の声が見事にはもった。
そして俺は確認のためにステータスウィンドを開いた。
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ヤマセヒロキ/人間
LV 5
『スキル』
~ユニーク~
=アイテムボックス=
=能力可視化=
=身体能力強化=
=紅蓮の主=
=災厄の悪夢=
=迷宮作成=
=完全支配=
~コモン~
=召喚術=
――――――――――――
…なんか増えてるよ。
「本当だ。増えてる。」
俺は絶句した。ただでさえチートな能力なのに、さらに増えやがった。
「増えてるって、おにぃさん確認したみたいにいわはるねぇ」
スズハが不思議そうに尋ねる。そうだ、この能力を見るという事もユニークスキルがないと不可能だったんだ。
「あぁ、そういえば自分のもっているスキルとかはどうやって確認するんだ?」
俺の問いには、ルクスリアが答えた。
「空間維持魔法を使うんだ。空間維持魔法で空中に羊皮紙のようなものを出現させ、その上に調べたいものの血を一滴たらす。そうすることで自分のもっているスキルが分かるんだ。もっとも、魔力消費量が多いからめったには使わないがな」
なるほど、スキルを見るだけでも一苦労なんだな。
「そうなんだ。大変なんだね」
「他人事のように言うてはるけど、おにぃさんさっき自分のスキル確認してはったよね?どうやったん?」
…茶を濁すことが出来たと思っていたが、無理だったみたいだ。
はい、今回はここらへんで。
そろそろ学校の修学旅行が近いんですよね~(苦笑)
その間ストックが作れないので、更新ペースが少し遅れる可能性もあります。
そこら辺は大目に見て下さい…
頑張りますので、評価や感想。レビューなどよろしくお願いします。
2017/01/26 ルクスリアの名前を修正。
≪ルビー→ルブルム≫
ラテン語で赤という意味を表すルブルムにして、ルクスリアと語源が同じラテン語で合わせました。