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猫に小判な異世界生活  作者: Lit
序章:異世界へ
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第十四話 家の完成

なんとこの小説の累計PVが1000PVを突破しました!

ホンマに皆さんありがとうございます。

あ、あと今日は二回投稿です。一個目はこの話で、二個目はキャラクター紹介です。

「起きろ、主人」

 ルクスリアの囁きで俺は目を覚ました。

「んっ!?な、何でルクスリアがここに!?」

「スズハが飯が出来たから主人を呼んで来いと言っていたのでな」

 そういうと、ルクスリアはそそくさと部屋を出て行った。

「…俺も行くか」




 居間へ行くと、スズハが飯を用意してくれていた。米とのようなものの塩焼きだった。

「あ、おにぃさんおはよう。よう眠れた?」

「あぁ、ぐっすり眠れたよ」

「そう?ほんなら良かった。あ、ご飯食べ終わったらタツネさんが来てって言うてはったから行きや」

 タツネさんが?何だろう。まぁ、とりあえず今はスズハさんの激ウマ朝飯に専念しよう。




 食事を終え、タツネさんの工房の前まで行くと、中からタツネさんが現れた。

「お!兄ちゃん。早いな」

「あ、タツネさん。おはようございます。それで話って何ですか?」

「お、そのことなんだけどよ、家出来たぞ」

 …マジですか。何なのこの狐族の人たちの仕事の速さ。

「あ、ありがとうございます!」

「おう!俺らみたいな職人はな客のその笑顔のために働いてんだよ。んで、今のお前みたいに喜んでもらえたら俺の頑張りも報われるってもんだ」

 そういうとタツネさんはガハハと豪快に笑った。なんかカッコイイなこういうの。




 タツネさんと一緒に俺の家へと向かうが、その道中はそわそわしてしかたなかった。

 だって自分の家が手に入んだぜ?こんな心躍ることはないじゃあないか!

「おい、ついたぞ」

 タツネさんの一言で、俺は前を向く。

 目の前に広がっていたのは、豪邸と言っても余りある程の豪邸だった。

「こ、これほんとに俺の家なんですか!?ま、マジですか!?」

 家のあまりの大きさに、俺は大声をあげてしまった。

「あぁそうだぞ。というか、お前が持ってきた原木が多すぎたから予定よりも大きくなったんだよ」

 なるほど、ちょっと悪い事をしてしまったかもしれない。

「にしても、代金はどうしたらいいですか?」

「あ、そのことなんだが、要らねぇよ。お前が持ってきてくれた原木の中にすげぇ上質の物が入ってたんだよ。だから逆にお前に分け前をやらなきゃいけねぇぐらいなんだ。ほらこれ」

 タツネさんは俺に小さい布の袋を渡してくれた。中には銀貨が数枚入っている。

「え、でも」

「いーんだよ。俺も今みたいに喜んでもらえたらそれが代金の代わりになるぐれぇに嬉しいしよ」

 タツネさんはガハハと豪快に笑った。なんなん、めっちゃええ人やん。

「あ、その代わりと言っちゃなんだが、これからもちょくちょく木の伐採頼んでいいか?給料もやるしよ」

「そんな事でいいんだったらよろこんで!」

 こうして、俺は一国一城の主となったのだった。


「よし、何もやる事ないし畑でも作るか。醤油作るためにも大豆とか育てないといけないしな」

 タツネさんが帰った後、生活必需品以外の何もない家に一人になったので、畑を作ってみることにした。

「取り敢えず、クワとじょうろ、作物の種なんかが必要だな」

 俺はさっきタツネさんに貰った袋を握りしめ、家を後にした。



 道具屋探しのついでに村を散策していたら、ルクスリアに見つかった。

「主人!早く家をみたかったにしても、我を連れて行ってくれよ!」

 あ、ルクスリアの事を忘れていた。

「全く、我も住む家なのだから、我も連れて行っていただかないと困る」

 …え?今なんて?

「え?ルクスも一緒に住むの?」

「当たり前じゃないか!我は主人の下僕なのだからな、主人の家に住むのは当然のことだ」

 ルクスリアは胸を張り、ふふん。とでも言いそうな具合に答える。

「そ、そうなのか。これからもよろしくな、ルクスリア」

「ああ!」

 そういって、ルクスリアは左腕に抱き着いてきた。…なんかいろいろと胸にくっついてるよ。その柔らかい感触に、心が旅立とうとするが何とか引き止め、現実に戻る。

「と、とにかく今から畑づくりの為の必要な物を買いに行くから、ついてくるか?」

「了解した。ついていく」

 そうして、俺とルクスリアは道具屋へと向かった。

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