第十話 家づくり & 相棒との出会い
五日間連続投稿二日目です。
あ、600pv突破いたしました!
皆様、ありがとうございます!!
「よし、とりあえず家を作るための木材を集めてきてくれ」
「そこら辺は自給自足なんですね」
タツネさんの命令で俺は村の外にある森林まで来ていた。
「っと、この辺でいいか」
俺はタツネさんから借りた斧を持ち、木こりを始めた。
気を三本ほど切った後で、俺はあることに気付く。
「…これって、どうやって持って帰るの?」
そこを失念していた。
トラック…無いな、台車で持って行くにしても、この大きさ…。
そこまで考えていたところで、俺はあることに気付く。
「そういや、アイテムボックス使えばいけるんじゃね?」
そこからは早かった。木を切ってはアイテムボックスに入れ、切っては入れを繰り返していった。身体能力強化のおかげか、不思議と疲労感はない。
調子に乗って気を刈り取っていくうちに、アイテムボックスの中に原木が90本程集まり、森林の一部が禿げてしまっていた。自然破壊、ダメ、絶対。
アイテムボックスに入れているアイテムの重量は感じなかったのが救いだった。
そして木を切っている間に、洞窟のようなものを見つけた。
たぶん迷宮だ。だが、今は装備が整っていないので、また今度来ることにする。
村に着き、タツネさんの工房にやってきた俺は、原木90本をタツネさんの目の前に出し、タツネさんを驚かした。
「お前、どうやって今原木出したんや!?」
そこら辺は企業秘密にしておく。
原木を全てタツネさんに渡した俺は、暇になったので、魔物狩りに出かけることにした。
村を出ようとしたら、ルクスリアが声をかけてきた。
「主人、何をしているのだ?」
「魔物狩りに行こうと思ってね。ルクスリアも来るか?」
「行く。そしてルクスで良い。だが、主人ほどの強さであれば、魔物狩りなどつまらぬのではないか?」
「そうでもないよ、レベル上げも兼ねられるから。あ、そういえば武器を持っていないな。ルクスリ…ルクスは、武器持っているか?」
「いや、持っていないが…」
「なら、今から買いに行こう」
という事で、俺とルクスは村の武器屋へ武器を買いに行った。
武器屋と書かれた看板が掛けられている店に入ると、マッチョなおじさんが出迎えてくれた。
「らっしゃい!お、あんたがうわさの英雄様だね?俺はガンテツっていうもんだ。よろしくな」
俺は差し出された右手を握り返す。この村にはタツネさんといい、好感をもてる人物が多い。これもスズハの人徳なのだろうか。
「よろしく。それで、今回は武器を買いに来たんですけど、剣ってあります?」
「ああ、有るよ。奥にあるから、ついてこい」
俺たちはガンテツさんに案内され、店の奥へと歩を進めた。
店の奥には、様々な剣が置いてあった。
「うわぁ、色んな剣があるな。」
「たりめぇよ。俺の武器屋は王都の武器屋にも負けねぇぜ?」
そうこう話しながら武器を眺めていると、ふと視界の端に店内の隅に適当に置かれているものが見えた。
「ガンテツさん、これは?」
俺はその布にくるまれた長い棒のようなものを持ち上げ、ガンテツに尋ねる。
「おぉ、それなんだがな、鞘から剣を抜こうと思っても抜けないんだよ。多分不良品だと思うんだがな。」
そりゃ普通に抜こうとしても抜かないだろう。これは刀身が反っているから普通に抜こうとしても抜くことが出来ないんだ。そこら辺の特徴も、俺の知っているあれに似ている。という事は。
俺は高まる気持ちを押さえながら巻いてある布を剥いだ。
やっぱりだ。布にくるまれていたものは、俺にはなじみ深い
―――刀だった。
俺は徐に刀を腰に差し、鞘に収まった刀身を拝もうと刀を抜く。
するといとも簡単に黒色の鞘から銀色の刀身が抜け出る。その黒と銀のコントラストは一つの芸術品のようだ。
「ほぅ」
その刀身がお目見えした時には今まで一言も言葉を発さなかったルクスリアも感嘆の声を漏らした。
「えっ!?兄ちゃんそれ、どうやって抜いたんだ!?誰もその剣を抜けなかったのに」
「抜き方にコツがあるんだよ」
「へぇ、どうりで。兄ちゃんそれやるよ」
「え?いいのか?」
「あぁ、此処に置いてあるよりも、兄ちゃんみたいに使い方が分かってる人が使った方がいいと思うんだよ」
そして俺は刀を手に入れたのだった。
ただもらうだけでは申し訳ないので、ルクスリアの分の細剣を購入した。
「また来てくれよ!」
ガンテツさんの武器屋を後にした俺たちは、村の外の森林の中にある迷宮へと歩を進めた。
刀ですよ刀!
擬人化はしませんが(笑)
2017/01/29 話数修正
十話が抜けていたので、話数をずらします。
混乱させてしまい、申し訳ありませんでした。




