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憑依無双 ~何度殺されても身体を乗り換えて復活する~  作者: 十一屋 翠
イドネンジア編

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激戦、四天王

 飛行魔法で魔族達の頭上を飛び越え、俺は敵の総大将である四天王マズロズの下へと突撃する。

 下方からの雑魚の迎撃があるが、そんなのは防御魔法と龍魔法でガードしてゆく。

 マズロズの実力は未知数だが、四天王を名乗る以上は相当な強さだろう。

 できたらゲームの序盤四天王みたいに面汚しな弱さだと助かるのだが。

 このまま上空から狙撃をしたいところだが、空を飛んでやって来ているこちらの姿は向こうから丸見えだろうし、なによりあの水の壁でヘタな魔法は封じられてしまう。

 そして水の壁を蒸発させる事の出来る上級火属性魔法を使うという手もあるが、周囲が海である為、直ぐに壁の材料が補充されてしまうので、こちらも現実的ではない。 

 結論としてはそれなりの距離を保った状態で大威力の魔法で水の壁を貫通させて敵を倒すか水の壁を回避して直接当てるかのどちらかという結論に達した。


「ほほぅ、このマズロズ様にまっすぐ向かってくるとは命知らずな奴め。名を聞いてやろう」


 マズロズの近くまで来たところで相手から名を問われる。

 随分と自信家だ。


「我が名はバーザック=ダーム!! 世界最強の魔法使いである!!」


 まぁそれはバーザックが思っていた事だが。


「ふははははははっ!! 世界最強とはずいぶんと大口を叩くものよ。さてはお前が先の侵攻を食い止めた魔法使いとやらだな? 良かろう、上には上が居るという事を俺様が教えてやろう!」


 マズロズが戦闘態勢に入る。

 こちらも即座に迎撃態勢に移行!


「ニードルフォレスト!!」


 マズロズが大量の水の針を作り出し俺に向けて射出する。

 俺はサイドシールドの魔法を斜めに発動させて水針の群れを後ろにいる魔物達へとそらす。


「グギャアァァァァァ!!」


「愚か者め! 我等の戦いに口出しをしようとするからそうなるのだ! 貴様等は向こうの人間共の相手をしていれば良いのだ!!」


 どうやら不意打ちするチャンスを狙っていたらしい。マズロズが一渇すると、俺達の周囲に群がっていた魔物達が慌てて前線に向かっていって誰もいなくなる。


「さぁ、仕切り直しだ!」


 マズロズが再び攻撃を行おうとするが、既にこちらの準備は整っている。何度も先制を許すかよ!


「リッパースワロウズ!!」


 空中に氷で出来た戦輪が幾つも浮かび、まるで生き物の様に飛び周り始める。


「むぉ!?」


 奇妙な光景に驚きの声を上げるマズロズ。


「行け!!」


 マズロズの周囲を回っていた戦輪達が360度全周囲からマズロズに襲い掛かる。

 先ほどの水の壁は俺のサイドシールドと同じく単面防御系の魔法と見た。

 だとすれば全周囲からの攻撃には弱い筈!!


「なんの、ハイドローラー!!」


 マズロズの魔法が発動するとマズロズの周囲をぐるりと囲む水の輪っかが出来上がる。


「廻れ!!」


 マズロズの命令に従って輪っかが高速で廻り出し、周囲の戦輪を破壊する。

 だが輪っかがない上空からも戦輪は襲い掛かる!


「ハイドロストリーム!!」


 水の輪っかの魔法が発動したままにも関わらず、マズロズは凄まじい水流魔法を発動して戦輪達を吹き飛ばした。


「2重発動? いや継続型魔法か!」


 この世界の魔法は1つの魔法を使っている時にもう1つの魔法を発動させるのが非常に難しい。

 言ってみれば左右両手を使って、まったく別の内容の手紙を同時進行で書くようなものだ。

 だからマルチタスクで同時に魔法を発動させる事のできる存在は少ない。

 大抵は発動したらしっぱなしの継続型魔法と併用して使う。

 だが継続型魔法は単純な効果しか及ぼさないし威力もたいした事は無い。

 あくまで補助なのだ。

 国民的ロボットアニメのバルカンと同じ扱いなのである。

 あと飛行魔法も継続型と術者が維持するタイプがある。

 ちなみに俺が今使って居る飛行魔法は戦闘に集中する為の継続型だ。いざとなれば維持タイプに切り替えるが。

 しかしマズロズのハイドローラーは俺の魔法を完全に防ぎきった。

 いくら 一発の威力がそれほど高くないとはいえ、全て防ぎきるとは。

 コレが四天王の強大な魔力って訳だな。

 しかも単純に難いだけじゃない。恐らく回転する事で攻撃をそらしているんだ。

 弱い攻撃じゃあの廻る壁を突破は出来ないか。

 なら最初の案で貫通戦法だ!

 マズロズの反撃を回避しつつ俺は強力な上級魔法を発動させる。


「パイロジャベリン!!」


 超高熱の投げ槍が発現し、俺の前に現われる。

 槍の熱量は相当な者で、術者である俺ですら近くに居るだけで火傷しそうになる。


「往け!!」


 はじき出されるような勢いで投げ槍が打ち出される。

 投げ槍が水の輪っかに接触すると瞬く間に輪っかが蒸発、貫通した。


「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 即座に水で輪っかが復元してしまった為に中の光景は見えないが、間違いなくダメージを負っただろう。


「パイロジャベリン!!」


 攻撃が通じた事を確信した俺は更に投げ槍を発現させて水の輪っかに投げつける。

 だが今度は悲鳴が上がらない。中で回避したのか? それとも最初の一撃で倒してしまったのか?

 水の輪っかが継続型の為に状況が確認出来ない。

 そして迂闊に覗き込んで反撃を食らわない様に使い魔で様子を見ようかと思ったその時……


「甘いぞぉぉぉぉぉ!!!」


 なんと俺の真下、海の中からマズロズが姿を現した。

 海に潜って真下まで来たのか!?

 俺は慌てて上昇するが、魔法で出したのであろう巨大な水柱がマズロズを押し上げて迫ってくる。


「プレッシャーソード!!」


 高圧で圧縮された水の刃が出現し、マズロズが切りかかってくる。


「サイドシールド!!」


 防御力の高い単面防御魔法で水の刃を防ぐ。

 だが水の刃が俺の防御魔法に食い込んでいく。

 俺は慌てて後ろに下がって回避。直後防御魔法が完全に切り裂かれて消滅する。


「シャーククロウ!!」


 両手から巨大な爪とも牙ともつかない突起物を生やしたマズロズが迫る。

 こいつ魔法使いじゃねぇのかよ!?

 俺は龍魔法で強化した腕でマズロズの腕を捌く。


「ほう、お前素手もイケるのか!?」


 イケねーよ! 龍魔法を使っても両腕がビリビリしてるっつーの!!

 こちとら肉体は只の魔法使いなんだよ!!

 くそ、バーザックの身体はあくまで魔法使いだ。戦士の身体のようには動かせない。


「中々に手ごわいな」


 漸く止まったマズロズが楽しそうに笑う。そこに至って気付いたのだが、マズロズの右胸は俺のパイロジャベリンによって大ダメージを受け炭化していた。更に周辺も大火傷を負っていて、速く治療しなければ魔族といえど死んでしまうだろう。

 っつーか、あんな状態で闘ってたのかよ。


「全く、これだから戦場は楽しい。思いがけない所で貴様のような猛者に出会える。だが今は引いた方が良さそうだ。俺といえどこのままでは死んでしまうからな」


 マズロズは大きく後ろに跳躍して海に戻ってゆく。


「今日のところは退いてやる。次も楽しませてくれよ!! お前等撤収だっ!!」


 マズロズの号令で魔物達が撤退して行く。


「なんとか撃退できたか」

 

 中々にやばい相手だった。あのまま戦いが続いていれば体力切れで俺がやられていただろう。

 パイロジャベリンが運よく当たっていて助かったぜ。

 けれど、この件で間違いなく俺はマズロズに目を付けられた。

 それは戦場で俺がサポートに回れなくなる事と同義。


「弟子の修行を急がないといけないな」

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