アストロティア編 「6」
魔物討伐から一日がたった。今日は死んでいってしまった人達の儀式があった。彼らが消えてしまった後は謎の結晶を拾った。それはその人が生きる為の力エナジーコアだった。この儀式には討伐に参加した人を含め村全員の人が参加した。この儀式はエナジーコアがダークコアになって魔物を生み出さないようにするためのものらしい。ある神父が
「それでは始めますよ。」そう言って手を前に出した。するとコアから魂みたいなものが出始めた。
「エナジーコアよ。どうか死んでいってしまった彼らを見守りください。」魂みたいなものは一段と輝き、またコアの中に入っていった。
「これで彼らのエナジーコアは魔物を生み出さないでしょう。」そう言って彼は去っていった。そのあとエナジーコアは石碑にはめられた。儀式が終わり帰ろうとした。誰かまだ奥にいた。
「悪い。ノア、テラ。先に戻っていてくれ。」
「うん。分かったわ。」俺は気になったので奥にに向かった。
そこにはヒナがいたその石碑はシンカだ。俺があのとき守れていれば。
「ごめん。シンカを守れなくて。本当に。」俺には謝るしか出来なかった。
「いいのよ。私に力がなかっただけ。気にしないで。」
「でも・・・。」俺は言葉が出なかった。
「あなたたちは強い。私は本当はこの名前みたいに弱虫だから。少し討伐隊に入れて意気がってたのよ。本当は何も力がないのに。そんな時私を支えてくれたのはシンカだった。そんな大事な人を・・・・守れなかった。」ヒナの目には涙が浮かんでいた。
「ねえお願い・・・。私をあなたたちの仲間に入れて。絶対・・・必ず・・・この世界を救ってみせる。平和な世界に。」ヒナは本気だった。俺はこのときまでただこの世界から脱出するだけしか考えていなかった。そうだ。俺達がやるしかないんだ!
「いいよ。必ず世界を救おう。だけどヒナ。無理はしないで。」
「ありがとう。」
「改めてよろしくな。ヒナ。」
「うん。よろしくねハルト。でも今だけは少し泣かせて。」そう言うとヒナは俺に倒れてきて泣いた。俺は今までこんな悲しい経験はなかった。二度とこんなことは起こさせない。しばらくヒナは泣き続けた。
俺はその後ヒナと別れ宿屋に向かった。ノアとテラが待っていた。
「どうしたの。そんな悲しい顔をして。」
「ハルト大丈夫?」二人は心配していた。
「大丈夫だ。ごめん、遅くなった。」二人は首を横に振った。
「別にいいよ。もうこの町ともお別れね。」
「ハルトはこのあとも旅を続けるでしょ。」
「ノアとテラは来ないのか。」
「そんなことないよ。私達も知りたいことがあるからね。」
「僕もまだついていくよ。」どうやらしばらくは一緒に旅が出来そうだ。
「ありがとう。よしじゃあ夕食にしよう。さすがに腹が減った。」俺を見て少しノアは笑っていた。
「それもそうね。じゃあそうしましょう。」俺達はしばらく楽しい食事をした。
次の日俺達は宿屋を出た。
「よしじゃあ向かいましょうか。」
「待ってその前に紹介したい仲間がいる。」ノアはいつの間にと言いたそうな顔していた。
「出てきていいよ。ヒナ。」すると裏からヒナが出てきた。ずいぶんとまあ可愛らしい格好だ。今までみたいな動きにくそうな服装ではないな。
「ヒナよ。改めてよろしくね。」少し照れている。
「ヒナさんどうして。」テラは思わず聞いた。
「私はあなたたちいえハルトたちと旅がしたいの。この世界を平和にするために。それにもう私は討伐隊に入っていないから。」
「分かったわ。こちらこそよろしくね。ヒナ。」ノアとヒナは握手をした。
「僕もよろしくね。」ヒナはうなずいた。
「よしじゃあ今度こそ出発しましょう!」
「おおお!!」俺達は次の町に向かって歩き出した。
次回もお楽しみください。評価もよろしくお願いします。