アストロティア編 「2」
俺とノアは彼女の幼なじみがいる森へと向かった。
「なあまだなのか。早くしないと・・・。」俺は少し森の様子を見て焦っていた。変に殺気を感じる。どう考えたってこんなところ危険そうだって分かるだろう。だが一番焦っていたのはノアだった。
「どうして。まるで魔物の住みかみたいになってるわ。」よく森を見ると変に赤く染まっている。葉だけが赤くなるのはよくあることだが木全体が赤くなるのは見たことも聞いたこともない。早く探さないと。
「もう少しでおそらく会えるはず。ハルト、周り気をつけて。」俺はうなずいた。
「お願い。誰か来てよ。」ほとんど少女のような容姿の少年テラは魔物に追われていた。いつも平和で穏やかな森はもう存在しない。逃げなきゃ。そう焦って走ろうとした瞬間転んでしまった。そうだ、戦わなきゃ。だが勇気が出ない。ここで終わり。そう思った。そのときだった。
「いたわ。ハルト前お願い。」一人人間を俺も見つけた。ノアが杖を構え、俺は剣を取りだし魔物に飛び込んだ。その魔物が襲いかかるほんのわずかのことだった。
「テラ大丈夫? 後は私たちに任して。」ノアはテラに近づき話しかける。
「ありがとう。」テラは少しほっとした後眠ってしまった。俺は飛び込んだ魔物で精一杯だった。猪のような体をしているわりには動きが速い。剣で防ぐので限界だ。
「ハルト戻ったわ。今助ける。」ノアは魔法を唱えようとしているのか。
「ハルト避けて!」俺は急いで避けた。
「エナジーマジシャンコア第1条ホーリア!」そうノアが答えた瞬間光のような炎が魔物に襲いかかる。
「今がチャンスよ。急いで逃げるわよ。」俺はテラという少女?を抱えて急いでノアと一緒に逃げた。後ろを向かず。
ようやく森の外へ出た。本当に驚いた。魔物が本当にいるなんて。
「ここまでくれば大丈夫だな。あの魔物何なんだ?」俺はどうしても気になった。
「あれはレットホーンよ。ここの地域にはいないはずなんだけど。とにかく家に戻りましょう。」俺も早く戻りたい。なんとか俺たちは無事テラを救い出すことが出来た。
ようやくノアの家に着いた。俺は抱えてきたテラをベットに置いた。
「なあノアはテラは女の子か?」俺は気になったことを聞いた。
「いいえ。男よ。」そうかそうか。男の子か。え。今なんて?
「もう一度聞いていいか。テラは女の子か?」ノアの返答は変わらなかった。
「だから男よ。男。」えええ。容姿は本当に女の子だ。ここまで美少年はみたことがない。そんな驚いた顔をしている俺を見たノアは平然とした顔をしていた。いつまでもそんな顔しているわけにはいけない。俺は少し気持ちの整理をした。
「そんなことよりハルトさっきの魔物と戦った時よくとっさに動けたね。」あああのときはある意味なんとなくだけどな。でも一番は
「ノアを信じれたからかな。」ノアは今まで一番驚いた顔をしていた。
「驚いた。まさかまだ会ったばかりなのに。よく私を信用出来たわね。」少し嬉しそうな顔をしていた。まあどうして嬉しそうにしているのは俺は分からなかったけど。
「俺もよく分からないだがなんとなく親近感があったからだな。」しばらく沈黙が続いた。俺何かいけないこと言ったか。そんな沈黙を打ち破ったのは寝ていた少女いや少年テラだった。
「あ。起きたわよ。」ノアはテラの方向を向いた。
「ううん。よく寝た。おはようノア。えっと君は・・・。」そうか俺のことまだ知らないのか。
「俺はハルトだ。よろしく。」種族名乗った方が良かったか。
「僕はエナジーランサーのテラよろしくね。」天使のような笑顔で紹介してきた。俺は不覚にも可愛いと思ってしまった。ノアを忘れて。
投稿が遅れてすみません。これからもよろしくお願いします。