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うちの部長が怖すぎて!

久しぶりに書きましたね。

あれから俺は、殺意が籠もった視線を投げつけられながら食堂を後にして、意外な事に無事放課後まで平和的に授業が進んだ。

…何だか逆に怖いな。


夜「タークートッ!帰ろー?」


拓「ん?あぁ…。」


夜「…なんだか元気ないね?」


拓「いや、そんな事はないが…(襲われる不安が、何て言えないしな…)。」


夜「ないが?なに?」


拓「少し考え事があってな。

それより部活の方はどうしたんだ?」


夜「暫くの間は、次の公演用の台本の内容とかで書物部と話し合いがあるから休むって、ぐー先輩が言ってたよ?」


拓「へぇ、確かに台本が決まらないと、発声練習とかしかないしな。」


夜「それに、この前公演が済んだってのもあるしね~。」


拓「あぁ…、かなりきつかったが終わってみると良い思い出になったな。」


夜「また、3ヶ月後にあるよ?」


拓「………そうだったな。」げんなり…


夜「うん、そーだよ。」


この学校の演劇部は一風変わっていて、やると決まった台本に大なり小なり影響があるとかで、前の台本での練習などはいっさいやらない。

しかも3ヶ月クールで、会場等を借りて公演をやるため公演直前~公演中は、役者はもちろんの事スタッフなんかの裏方もかなりハードなのだが、それが終わると暫く暇になるのだ。

まぁ、その替わりに部長や書物部、手芸部等が大忙しになるんだがな。

ちなみにこの前やった真夜の役は、やはりと言うべきか、異世界からやって来たお姫様だったが…、異常なまでに似合っていた。


あと、ぐー先輩とは演劇部の部長のことで、もちろん?ちょき先輩と、ぱー先輩もいる。

…ふざけてない、まじだ。

後で紹介するから待っててくれると嬉しい。


などと考え事をしていると後ろから声をかけられる。


?「おんや~?そこにいるのは、夜っちと、イッシークンクンじゃ~ないかー!

な~にやってんのん?」


そう、この人が我ら演劇部部長こと、ぐー先輩---


夜「あ、天龍寺先輩。」


ではない。

この人は生徒会で庶務を務めている、天龍寺てんりゅうじ 一希かずき先輩だ。

ちなみに二年生。

この天龍寺先輩を一言で表すとしたら-


…ロリだ。


本人には本当に悪いと思うが、それしかないって程小さい。

150センチしかない真夜が普通に見える事から140センチもないだろうな、おそらくだが135~137と推測する。

正直、最初この生きもn-ゲフン、この人を発見した時は「なんで小学校が、うちの制服着て此処に居るんだ?誰かの妹か?」と、本気で思った程だ。


だがうちの高校で庶務をやっているだけあって、この天龍寺先輩は恐ろしいぐらいのスペックを所持しており、異色溢れる各部活の部長を1人で押さえ込み、まとめ上げている。

この偉業を成し遂げたのは、天龍寺先輩が始めての事らしく、教師ですら彼女に頭が上がらずにいるのだ。


あ、もう1つ猫っぽいてのも特徴と言えるだろうな。

今は、ベレー帽をかぶっているため分からないが、それを取ると猫耳みたいに髪の毛がピンと立つのだ。

これは、髪質が硬いのでどうしようも出来ないらしい。

あと猫目で猫口が良く似合う先輩?なのだ。


拓「今から帰る所ですよ。」


一「2人っきりでカナ~?」ニヤニヤ


夜「はい、そうですね?」


一「じゃ~、今からイッシークンクンと夜っちはデートなんだー。

青春だな~、ぼくっち応援しちゃうよん。」


拓「ただ帰るだけですよ!?」


一「あ!」


拓「…どうしたんですか。」


一「エッチの時は避妊しなきゃだめだよん。」


拓・夜「そんな事しません!!!」


一「えぇ!?避妊しないの!?2人の進んだ関係にぼくっちドギマギ!」


拓・夜「そっちじゃありません!!!」


うん、この人と話すとやっぱり疲れるな…。

て言うか、天龍寺先輩も真夜を男だと知った上で、この様にからかってくるから手におえない。

誰か助けてくれ。


?「廊下でギャーギャーギャーって騒がしかぞ!」


おお!この声とこの佐賀弁は!


夜「ぐー先輩!」


そう!この方こそが、我ら演劇部部長こと、ぐー先輩なのだ!

ちなみに2年生だ!

ぐー先輩の本名は紅蓮鳳凰ぐれんほうおう 胱芽こうがと言い…?


え?ふざけるのかだって?こっちは大真面目だよ!まったく…。

…確かにぐー先輩の名前については俺も正直ふざけていると思う…、だから我慢してくれ頼むから。

ほら、ぐー先輩が睨んでくるから。

ほんとこの人怖えぇから。




………ふぅ、殺気も無くなった事だし話を戻そうか。


ぐー先輩はこんなふざけた--じゃない!

こんな立派な名前なのに女性なのだ。

この先輩は凛々しくて変な所に一本気通った性格が特徴で、地元佐賀をこよなく愛しているため、あえて佐賀弁を貫き通している。

…たまにその方言が理解出来ないのは御愛嬌だろう。

更にこの先輩はその美しい見た目とは裏腹に、化け物の様に強く、俺に空手を教えてくれている先輩と正面から殴り合えるのだ。

ちなみに空手を教えてくれている先輩は、俺をハナクソの様にあしらうが、ぐー先輩の様にバトルジャンキーではないので一安心だ。


ぐ「ん?なんだ拓砥と真夜か、こがんとこで何ばし--なるほど又一希がからかいよっとか。」


一「えぇ?違うよ~、ただただぼくっちは可愛い可愛い後輩達と、親睦を深め合っているだけだよ~?」


ぐ「嘘ばつくな。」


一「ひ、ひどい!ぐーったら、ぼくっちを疑うなんて!

うえ~んシクシク。」チラチラ


ぐ「こっちばチラチラ見ながら嘘泣きばするな…。」


一「ま~バレるよねん、まぁそれは置いといて。

ぐーに一大事件の情報があるよ!?」


ぐ「なんか?」


一「な、な、な~んと、イッシークンクンと夜っちは避妊せずにエッチをするらしいよん?」


また、この人はふざけた事を…。

なんて考えていると、ぐー先輩が天龍寺先輩にチョップを食らわせる。


ドズン!


…やべぇ、あれチョップと言えるのか?天龍寺先輩はたんこぶで済んでいるが、グロい話、常人なら右半身と左半身がさようなら状態になるんじゃ?お、恐ろしいぜ…。

ん?なんでぐー先輩は俺を見る?

ガクガクブルブル…。

あれ?足が震える?はは…何でだろ?


一「いった~い!ぐーったらDVだよ!DV!ドメスティックバイオレンスだよ!

いたた頭砕けてないかな~?」


ぐ「ギリギリでやったから、大丈夫ばい。」


拓・夜「ギリギリで!?」


ぐ「そがん事より、真夜は男って事忘れたとか?」


拓・夜「スルーした!?」


一「アイヤー、ワタシ、スカリワスレテタアルヨ!ウッカリネ!」


拓・夜「何故エセ中国人風!?」


一「テヘペロ!」


ぐ「はぁ…。」


ぐー先輩は溜め息をつきながら、話し合いのまとめ役だからと言って天龍寺先輩を引きずって行った。


ぐー先輩は恐ろしい…。

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