2011年4月6日
我が家の近所は、地味にラブホテル街だ。悪趣味な形状のラブホが乱立している。
どうしてこんな場所にラブホが増えるのか理解に苦しむ。ラブホ以外は普通に住宅街、居酒屋街でも観光地でも、遊園地があるわけでもランドマークスポットがあるわけでも無くラブホだけがあるのだ。
ラブホと言うんだからデートの夜あたりにカップルが泊まってインアウトを繰り広げる場所なんだろうが、いったいこういう立地のラブホに泊まるのはどういう人なんだろうと感じる。ラブホに泊まるためにラブホ街を目的地にしたデートを繰り広げたカップルということなのだろうか。
そういう場所なのだが、その立地がそれも歴史的に有名なとある街道に沿って乱立しているのだ。
この街道は(まあこの付近のエリアだけかもしれないが)お世辞にも治安がいいとは言い難い。住宅街から一歩街道に足を踏み入れると、ネオンの光が目立つ。
そしてその名物として、お決まりの暴走族がいるのだ。
活動時間はおそらく深夜、夜9時位にそこを通ると見かけるのでそのくらいの時間なのだろう。
無駄に馬鹿でかいエンジン音を鳴らして、ヒャッホーとかなんとか掛け声を発してみて、「暴走族」なのだから当然大量のバイクが群れを成して、ヘッドライトで他の車を威嚇しまくる。まあ不届き者共なのだが。
実は俺は、彼らにある特徴があることを知っている。最近の暴走族の傾向なのかはしらないが。
なんと彼らは、街道の信号の多さに関わらず、それらの信号に律儀に従うのである。
そればかりではない。この街道にはたまに信号機のない横断歩道があり、その先がマンション街なので様々な人々が行き来するのだが…。
初めて見た時は感動すらしたものだ。
ある一人のおばあちゃんがよたよたと、信号のない歩道を渡っていると、なんとその歩道の後ろに群れを成したバイク暴走族集団が、群れで止まっていてそのおばあちゃんを心配そうに見つめているのである。
あれは感動した、相手が暴走族じゃなければカメラを向けて撮っていたかもしれない。それだけ素晴らしいシーンだったのである。
たまに深夜まで勉強していると、遠くから強烈なエンジンが聞こえる。それを聞く度にあのシーンを思い出して、心底で念じるのだ。
…今日もラブホ街を安全運転でな。