2011年4月4日
たまに朝早く起きてジョギングをする。正確には妹に連れられてというのが正しい。
しかし、俺が思うにこの世で最も不健康な行事というのは、朝食前のジョギングだ。頭は勿論ぼけ状態で到底外に出て安全な頭ではない。
健康になるために(なるとは思えないが)車に轢かれてどうする?と言いたいのである。
そもそも動機が妹の気まぐれだ、これ以上やる気の失せるものはない。
でも、何故か毎回行く羽目になるのだ、分かっている、無駄な足掻きもしてみる、でも、やはり行く事になってしまう。俺は運命とは無縁な奴だが、もしそんなやつがあるのだとすればまさにこれだろう。
とは言え、収穫は無くもない。
まず、登校時刻よりも早朝なので、まだ寝静まった住宅街を見ることができる。退屈な高校生にとって、これ程アドレナリンが分泌されるものはない。人がいない町、これがなにか異世界に入り込んだ気がして楽しいのである。
妹が選んでくるのは決まって坂道登りコース、あからさまに不健康なコースだが、タイムリミットまでに登り切れば褒美がある。
最高に美しい朝日の出だ。
ジョギングコースは大抵いつもは用のない場所ばかりで、当然真昼間でもそこから町を覗き込む事はない。
でも早朝ジョギングには、あるのだ、それも始まりの日に照らされてオレンジほぼ一色に色付く、町並みの最高の寝ぼけ顔が。
さて、行きは登りなのだから当然帰りは下りを行くことになる。こうなるともはや足が走っているのでは無く、朝食を欲した胃袋が走っているのである。走りと夕日に照らされていい具合に温まった体、清々しい汗。
そして、ようやくたどり着く、我が家。朝食。朝食である。熱々のパンケーキ、プリプリのウインナーにかぶりつく。最高に旨いのだよ!
そんでジョギングをやる度にこう思うのだ。
こんな不健康なこと二度とやらねー
そんで数日後、また走っている俺がいるのだ。