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2011年4月9日

デュマが書いた古典「岩窟王」を読んだことがあるだろうか。

あれは数世紀前から読まれ続けている名作で、日本でも何個もの翻訳や装丁で売られている。

しかし、俺個人的には、あまり面白いとは思わない。つまらないわけでは決してないのだが…何と言うか、例えば今現在に新作として発売されても、その後何世紀にも渡って読み継がれるようなものになるとは思えないのだ。


とは言え、今でも新鮮に思える絶対的お気に入り箇所が実はあるのだ。

それは主人公がまだ牢獄にいる序盤のシーン。


主人公が看守に向かって


なんで無実の俺にこんな腐ったパンばっか食わせるんだ!


と叫ぶと、看守が


なんだと!?お前が病気らしかったからせっかく肉の入ったスープと新しいパンを持ってきてやったのに。お前なんかくたばっちまえ!


と言う、このシーン。


このシーンで看守が持ってくるメニュー、これがとてつもなく旨そうなのだ。


面白いことに、小説でも映画でも漫画でも、名作や秀作と呼ばれるものには必ず、旨そうな食べ物が旨そうに描かれているのである。

シズル感と言えばいいのか、このシズル感が出ている創作は大抵名作や秀作となると言ってもいい。

この法則はなんと聖書からある。

過越祭の時に食すと決められたものは、子羊の丸焼きと酵母を入れないパン、それに苦菜だ。決して目の前に出されてはい食べますと言いたい代物ではないが、聖書の書き方がいかにもシズル感の湧き出る表現なのだ。

最近の映画にしても、名作や秀作には必ずどこかに美味しそうな食べ物が映るシーンがある。映画の場合は映像に限らず、台詞や音でも上手くシズル感が表現される。


この基準で、もう一度名作を観てみるのも面白いかもしれない。あなたの好きな小説や映画に、シズルショットはあるかな?



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