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【第一部 3章】仲間の離脱と帰還

シーン1:山下の疑惑報道

早朝、駅の売店に並ぶ週刊誌。

目立つ見出しが目に飛び込む。


「若手官僚に経歴詐称疑惑! 山下悠真氏、アルバイト歴に虚偽か?」


人事院の廊下。

知紀が記事を睨みながら廊下を駆ける。


白石 知紀

「……山下!どこだ! 山下!!」


資料室の奥、山下が机に突っ伏していた。

知紀が駆け寄る。


白石 知紀

「おい、これは何だよ!?」


山下は疲れ切った顔で、かすれた声を絞り出す。


山下 悠真

「……俺が学生の頃……奨学金だけじゃ足りなくて、

名義を借りてバイトしてた……それだけだ……。」


知紀が机を叩く。


白石 知紀

「そんなん誤差だろ! 何でこんな大ごとに……!」


山下が弱く笑う。


山下 悠真

「これで、俺が抜ければ……お前らには被害がいかない。

辞職届、もう出す……。」


知紀は山下の肩を掴み、睨みつけた。


白石 知紀

「ふざけんな!!」


シーン2:田所の情報戦

夜。

居酒屋の個室。

田所が週刊誌の記者と向かい合っている。


田所 俊介

「おい、お前らよ。どこの誰にこのネタ売られたんだ?」


記者は目を泳がせる。


週刊誌記者

「そ、そりゃオフレコで……」


田所がグラスを机に叩きつける。


田所 俊介

「テメェの名前、ここで公にしてやろうか? ん?」


記者が観念したように口を開く。


週刊誌記者

「……人事部の●●課長補佐が……保守派の……指示で……。」


田所はゆっくりと笑みを浮かべた。


田所 俊介

「上等だ。泥の中まで付き合ってやるわ。」


シーン3:ひかりのリーガルカウンター

ゼミ部屋。

ひかりが大量の書類を前に、山下に向き直る。


緒方 ひかり

「悠真。辞めるのは許さない。

私は既に弁護士と動いた。名誉毀損で訴訟準備は済んでる。」


山下が小さく首を振る。


山下 悠真

「でも、俺がいると迷惑……」


ひかりが怒鳴るように言う。


緒方 ひかり

「黙りなさい。私はあなたの能力を買ってる。

それだけが真実。」


山下の目が潤む。


シーン4:知紀の説得

雨の夜。

山下が一人、退職届を握り締めて公園のベンチに座っている。


背後から知紀が近づき、山下の頬を殴る。


山下 悠真

「いってぇ! 何すんすか!!」


知紀が叫ぶ。


白石 知紀

「ふざけんな! 俺たちのゼミは、お前抜きじゃ意味ねぇんだよ!!」


山下も知紀を殴り返す。


山下 悠真

「……俺のせいで、お前らが潰されたら……!」


知紀が息を切らせながら笑う。


白石 知紀

「潰されたら? そんときはまた作り直すだけだ!

何度でも、何度でも……お前がいないとダメなんだよ、俺たちは!!」


山下の手から、退職届が雨に濡れて地面に落ちる。


山下 悠真

「……っ……俺も……もう一回、信じていいっすか……?」


知紀は無言で頷き、強く抱きしめた。


シーン5:4人の誓い直し

ゼミ部屋。

びしょ濡れの知紀と山下を、田所とひかりが迎える。


田所 俊介

「こいつ泣きながら帰ってきやがったぞ! 最高だな!」


ひかりが苦笑しながら、山下にタオルを投げる。


緒方 ひかり

「もう辞めるなんて言わないで。論理的に無駄だから。」


4人はホワイトボードの前で手を重ねた。


白石 知紀

「何があっても、絶対4人でやりきる。」


田所 俊介

「おう!」


山下 悠真

「もちろんっす!」


緒方 ひかり

「仕方ないわね……付き合ってあげる。」


4人の拳が重なり合い、再び始動の火花が散った。



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