【第一部 2章】公務員評価制度改革
シーン1:理不尽な降格
人事院内の窓口課。
窓口職員・村井が上司に呼び出され、机の前で頭を下げている。
課長
「村井君、残念だが君のミスは組織に大きな損失を与えた。
査定をCにするしかない。」
村井は震える声で言い返す。
村井
「ですが……あれは僕だけの責任じゃ……!
忙しすぎて、他の職員も……!」
課長が冷たく笑う。
課長
「言い訳はいい。以上だ。」
遠くの廊下から、その光景を山下が目撃していた。
山下 悠真(心の声)
(村井さん……あの人、家族もいて……生活どうなるんだ……)
シーン2:知紀の突撃ヒアリング
その夜。
ゼミ部屋に集まった4人。
ホワイトボードに「現評価制度の欠陥」と大書きされている。
山下 悠真
「村井さん、前も同じ課長に不当評価されたって……。
これ、完全にターゲット決めて潰してるだけです!」
知紀が机を叩く。
白石 知紀
「ふざけやがって……!
よし、俺が明日から全職員に突撃ヒアリングしてくる!」
ひかりが呆れた顔。
緒方 ひかり
「頭を使いなさい。
聞き取りだけじゃ証拠にならないの。」
田所がドンと胸を叩く。
田所 俊介
「じゃあ俺は現場回って噂集める!
知紀、足りない分は俺が補強してやる!」
知紀はにやりと笑った。
白石 知紀
「最高のチームだな、おい!」
シーン3:ひかりの改革案作成
翌日、ひかりのデスク。
彼女は3台のモニターを睨み、膨大な評価データを解析中。
緒方 ひかり(心の声)
(……形だけの評価表、恣意的な加点、除外ルールの曖昧さ……
ザル制度もいいところ。)
横で山下が息を呑む。
山下 悠真
「ひかりさん……徹夜してるじゃないですか。」
ひかりはマグカップを握ったまま淡々と。
緒方 ひかり
「私が止まったら、この国の制度は止まるのよ。」
彼女の画面には、「新評価制度案・第一稿」の文字が輝いていた。
シーン4:内部会議の修羅場
人事院内の小会議室。
知紀たちが改革案を抱えて幹部陣と向き合う。
白石 知紀
「これが俺たちの提案です!
評価を透明化し、評価者の責任を明記する新制度案!」
保守派の幹部が鼻で笑う。
保守派幹部
「白石君。君みたいな若造が何を言おうと、現場は回らんよ。
理想論で霞が関は動かない。」
田所がテーブルを拳で叩く。
田所 俊介
「現場見たことあんのか!?
机で書類だけ見てるお前らが何を言う!」
幹部が冷たく切り返す。
保守派幹部
「口の利き方に気をつけたまえ。
君たち、左遷願望でもあるのかね?」
知紀は一度深呼吸して、堂々と言い放つ。
白石 知紀
「左遷なら何度でもされてやる。
でも、俺は必ずここに戻ってくる。
“正しい制度”を作るために!」
会議室に重い沈黙が流れる。
シーン5:記者会見での暴露
数日後。
知紀が一人、記者クラブの前に立っている。
記者A
「白石さん、若手官僚がこんな会見するなんて異例ですよ?」
知紀は一礼してマイクを握る。
白石 知紀
「俺たちは、自分の失敗を隠すために人を潰す評価制度なんて認めません!
これからも公務員を守るのは、俺たち自身です!」
後ろで見守っていた山下が、そっと小さく呟く。
山下 悠真
「……これが俺たちの第一歩だな。」
カメラのフラッシュが知紀を照らし続ける――