表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

【第一部 1章】人事異動の罠

シーン1:異動の噂

人事院の狭い休憩室。

昼休み、知紀がカップ麺に湯を注いでいると、背後からヒソヒソ声が聞こえる。


職員A(小声)

「聞いた? 白石君、上層部に睨まれたってさ。」


職員B(小声)

「そりゃそうだよ、総裁になるとか吠えたんだろ?

若さって罪だな〜。」


知紀は聞こえないフリをして、カップ麺の蓋を押さえながら深呼吸する。


白石 知紀(心の声)

(……ま、想定内だ。だが、まだ何もしてないうちから飛ばされるわけにはいかない。)


カップ麺をすすりながら、心の奥で小さく火を灯した。


シーン2:田所の人脈発動

その夜、赤ちょうちんの居酒屋。

田所が職員たちを囲んでジョッキを掲げる。


田所 俊介

「ほらほら〜! 今日は俺のおごりだから飲め飲め〜!

おい白石、ビール追加だ!」


知紀は苦笑いしながら席に座る。


白石 知紀

「呑気だな田所……こんなときに酒か?」


田所が知紀の肩をがしっと掴む。


田所 俊介

「呑気に見えるだろ? でもな、俺がただの体育会だと思ったら大間違いだぞ。」


田所が小声で耳打ちする。


田所 俊介(小声)

「お前の左遷話、誰が流したか当たりつけた。

部長の秘書課長だ。そいつが上に焚きつけてる。」


知紀の目に火が灯る。


白石 知紀

「……上等だ。」


ジョッキを合わせて、2人は無言で飲み干す。


シーン3:ひかりの逆襲資料

深夜のゼミ部屋(会議室を勝手に使っている)。

パソコンの画面が明るく、ひかりが無表情でタイピングを続ける。


緒方 ひかり

「……ふん。やっぱりあったわね。」


画面には「秘書課長 過去の人事評価操作データ」の文字。


背後で知紀と山下が見守っている。


山下 悠真

「……ひかりさん、これ……大丈夫なんですか?」


ひかりは淡々とUSBにデータを移す。


緒方 ひかり

「合法よ。公務員は公文書に正当アクセス権があるから。

それに……正義は我々にある。違う?」


知紀は笑いをこらえ切れない。


白石 知紀

「違わねぇな。お前、やっぱ頼りになるわ。」


シーン4:知紀の直談判

翌朝。

秘書課長室に、知紀が乗り込む。

秘書課長は煙草をくゆらせながら不敵に笑う。


秘書課長

「おや、白石君じゃないか。

何だね、朝から……」


知紀はデスクにUSBを置く。


白石 知紀

「課長の過去の人事操作、俺たち全部持ってます。

俺を左遷したきゃ、どうぞ。ただしこれ、上にもマスコミにも流れますんで。」


課長の顔から笑みが消える。


秘書課長

「……脅迫かね?」


知紀はニヤリと笑って答える。


白石 知紀

「違いますよ。情報開示のお願いです。」


部屋を出た知紀が、廊下で田所とハイタッチする。


田所 俊介

「いやー! お前ほんと馬鹿で最高だわ!」


シーン5:ゼミ結束強化

夜、ゼミ部屋。

コンビニのビール缶がテーブルに散乱し、4人が肩を組んで騒いでいる。


山下 悠真

「いやー、本当に飛ばされなくてよかったっす!」


緒方 ひかり

「フフ……まぁ、論理を通すのが私の役目だから。」


知紀が缶を掲げる。


白石 知紀

「乾杯だ! 俺たちで霞が関を乗りこなしてやろうぜ!!」


4人の缶がぶつかり、小さな音を立てて弾けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ