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非霊感少女の視る世界  作者: くだか南
5/10

6.~7.

6.


「いや、ちょっと待て!」

「もうすぐ降りるから、手短にな」

「うちの犬が、耳が垂れた中型犬なんて、どこをどーしたら感じられんだよ、どこにそんな情報があったんだよ」

「ああ、本当に耳が垂れた中型犬だったんだ」

「どう説明する気だ?優しい言葉で人を騙そうとしてるな?! 霊感詐欺だな!?」

「本格的に名誉毀損だ…、じゃあ、しっかり聞けよ、それは、たまたま当たった、それだけ」

「はあ?今までやたら理屈をこねて、最後はたまたま?」

「そう」

「そんな偶然なんてあるかよ」

私は少し考える。

「えーと、例えば、40人の教室に同じ誕生日の生徒がいる確率って、どれくらいだと思う?」

「いきなり何だよ、うーん、ちょっと待てよ」

香那実はスマホを取り出し、計算機をポチポチしだした。

「あー、全然分かんない、そーだなあ、0.1パーセントくらいか」

「それだと、1000の教室に、同じ誕生日が1組いる確率だけど、お前が今までいた6、3、2で、11の教室で、同じ誕生日の人達はいなかったか?」

「いや、そんな事無い…、うん、覚えてるだけでも何人か浮かぶ…」

「だろ?、説明と計算が面倒だから、答だけ言うけど、その確率は89.1パーセントあるんだよ」

「そんなに?」

「そう、後で検索してみ、詳しく説明してくれてるから」

「うん、で、それが何?」

「たまたま当たる偶然なんて、意外によくあるって事、じゃあ、またね」

席から立ち上がると、ちょうど、路面電車がガタガタと揺れながら、電停に止まった。

香那実に手を振って電車を降りる。

「ま、私は動物を飼った事無いから、どれが犬の毛か、何が犬の匂いかなんて、知らないんだけどね」

私は呟いた。



7.


隣の県の山中で、死体が見つかった。

死体は腹を裂かれていたらしい。

その死体は、窓際の席の高原さんだった。

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