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非霊感少女の視る世界  作者: くだか南
4/10

5.

5.


「あんた、本当にマジの霊感少女だったんだね」

帰りの路面電車の中で、香那実が真剣な顔で言ってきた。

「違うっつってんだろ、名誉毀損だぞ」

「だって、うちの犬が死んだなんて、分かるはずないもん」

「だーかーら、別に死んだ犬が見えたわけじゃないんだって、ただ、お前の足下に犬が見える、それだけの事なんだって」

「普通、それを犬の霊って考えるだろ」

「いいか、合理的に考えろ」

「おう」

「これは、詳しく話した事は無いけど、私の脳の障害は、今喋ってる私の心と言うか、感情とは少し違うとこで、私が知らないうちに何かを感じて、何かを考えてる、そーゆー感覚」

「うん」

「例えば、この私は気づいて無かったけど、その脳の部分が、お前の制服に白い犬の毛を見ていたのかもしれない、犬の匂いやドッグフードの匂いを感じていたのかもしれない」

「んん」

「犬が視え始めたのは今週の月曜だ、例えば、今まで感じていた犬の毛や匂いを、急に感じなくなったのかもしれない」

「それだけの事で…?」

「あと、これは、この私が見てすぐに分かった事なんだけど、香那実、お前、月曜の朝に目が腫れてたよ」

「え…」

「目のクマも酷かった、顔色も悪かった、いつも綺麗な髪の毛にしっかりブラシが入って無かった、声のトーンも低かった」

「ああ、そうだったんだ…」

「お前が何も言わないから、こっちも突っ込んで行かなかったけどさ、少し心配してたんだよ、で、そんなのがさ、私に白い犬を視せたんじゃないかな…、合理的に考えて」

「そうか…、うん、ありがと」

「こんな私でも、友達の事は見てるよ」

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