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四話



「うおおおおぉぉぉ!!

 出しやがれえええぇぇぇッ!!」


 

 俺こと主陣コウは、ただいま『セックスしないと出られない部屋』に閉じ込められていた。

 遡ること数時間前。

 休日ということでスーパーへ買い物に出ていた俺は、道中クラスメイトの女子集団と遭遇した。

 彼女たちに追いかけられて逃げているうちに、俺は何故か眠くなってしまい、意識を失ってしまう。

 そして──気がついたらこの部屋にいた。

 完全に初見殺しだ。

 あまりにもクソゲーすぎる。


「し、主陣くん……落ち着いて、ね?」


 固く閉ざされたドアを蹴っていると、後ろから女の子の声が聞こえてきた。

 振り返ればそこには青髪でショートカットの少女がいる。

 少し怯えたその様子から察するに、どうやら俺は彼女を怖がらせてしまっていたらしい。

 ダメだ、焦りすぎて周りが見えていない。


「……悪い、青城(あおしろ)

「ううん、大丈夫。主陣くんが悪いわけじゃないし……」


 えへへ、と苦笑いしながらベッドに座る青髪の少女。

 彼女の名前は青城。クラスメイトだ。

 俺と同じく、街を歩いていたらいつの間にか眠くなって、気がつけばここにいたらしい。

 

「お互い災難だったな。

 まさか、こんなアホみたいな部屋に閉じ込められるとは……」

「あはは……そうだね、ビックリしちゃったよ。

 ……でも、主陣くんがいてくれてよかった」


 そういうこと言いながら微笑むのやめてください。

 ほんとそういうの童貞弱いんで。

 好きになっちゃいそうになるんで。

 ……セックスしただろって?

 一回目は即座に爆発したし、二回目も全く記憶にないんで実質童貞です。

 あんな痴女どもに貞操を捧げてやった覚えはないぜ。


 ──あれからはや数ヵ月が経過して、今は初夏。

 エロイベントを回避しつつも、そこそこ普通に学園生活を送っていれば、青城みたいな普通の友達もそこそこできた。

 だからこそ。

 普通の友達だからこそ、こういった場面で一緒になってしまった事に対して、ものすっごい罪悪感が……。

 くっ。それにしても目のやり場に困る。

 俺も青城もいつの間にか着替えさせられていて、お互い下着姿だ。

 しかも普通の下着ではなく、妙に凝っている……というより見て分かる通り『そういう用途』に使われるエロ下着だ。

 俺は股間の聖剣の形がくっきり出てしまいそうなスパッツで、青城もAVで着せられそうなエロ下着。

 あまりにも可哀想で見てられない。

 すまない青城。俺が無力なばっかりに……。


「青城、なんとか頑張ってこの部屋を出よう。

 二人で力を合わせれば、きっとなんとかなるはずだ」

「……うんっ、がんばろ!」


 一緒になったのが青城で助かったぜ。

 とても理性的だし、下半身で物事を考えている雰囲気が全く見受けられない。

 こういう普通の娘もこの世界にはいたんだなぁ……。

 これが知らないヒロインだったり、あのロリ先輩とかだったら大惨事だったに違いない。


「さっ、まずは何からするか──」

「私……がんばるね」

「んっ? ──おわっ!?」


 突然、青城が俺をベッドに押し倒した。

 ご、ご乱心っ!?

 また俺なにかやっちゃいました……?


「あ、青城……っ?」

「悪い思い出にはしないから……主陣くんのこと、ちゃんと気持ちよくさせるから……!」

「おいおいおい!?」


 青城のやつ完全に錯乱してる。

 彼女もこの世界の住人だし、状況的にも確かに最適解であるセックスを選んでも不思議ではない。

 青城には悪いが、ここは無理やりにでも一旦彼女を引きはがして──


「んっ!」

「んむっ!?」


 キスしてきやがっ──まて何だこの感触!?

 舌に何かが転がってきて、これは飴か?

 ……いや、まさか!


「んーっ! んんぅーっ!」

「むぐっ。ゃ、やめっんぐぅぅっ!! ──ゴクッ」


 青城が口移しで俺の口内ぶち込んできた何かを飲み込んでしまった。

 

「っっぷは! はぁーっ、はぁ゛ー……!

 なにすんだ急に! 何を飲ませた!?」

「……び、媚薬っ」


 はっ?


「すっごく発情しちゃう媚薬、飲ませた……」

「何でそんなことを!」

「だ、だって! ようやく回ってきたチャンスなんだもん!」


 チャンスだと……?

 いったい何の話をしてやがる。

 というか何でお前、そんなに顔が赤いんだ。

 ……まさか、飲んだのか?

 俺が扉を蹴っている隙に、お前も媚薬を──


 ──グッ! 体が熱い……!?


「ねぇ主陣くん分かってる? ちゃんと自覚してる?

 あのね、主陣くんって最近たまにすぅっごくいい匂いがするんだよ?

 女の子がすぐに発情しちゃうようなフェロモンがプンプンしてるの……!」


 体に力が入らない。

 媚薬の効果なんて欠片も知らないけど、まさか肉体の自由を奪う効果なんてないはずだ。

 何で固まる。どうして動けない。

 俺はどうなってるんだ。


「寝てる間に打った注射、ようやく効いてきたみたいだね」

「なっ、に……!」

「力じゃ主陣くんには勝てないから。

 あらかじめ特別なお薬を打たせてもらったよ」


 その言い草。

 まさか──全部お前が仕組んだことだったのか?

 この部屋も、この状況も全て。

 友達のお前が──!


「ふふっ。お察しの通り。

 だってこうでもしないと主陣くん、私とえっちしてくれないでしょ?」

「おれっ、は……! お前っ、の、こと……友達だ、って……!」

「友達でもいい加減我慢の限界なの。

 いろんな女の子たちに言い寄られてるのに、それを一蹴する主陣くんがおかしいんだよ。

 ……ねぇ、ほら。私に委ねて?

 ひどいことしようってわけじゃないの。

 しっかり主陣くんのこと……気持ちよくしてあげるからっ♡」

「──ッ! うっ、ぐぅ……! グアアアアァァァァッ!!!」



 俺は!

 俺ってやつは!

 なんて無力なんだァァ゛ァァァァ゛ァッッ!!!




 ──チュドーン──




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