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十五話



 そんな普段と変わらない二人の姿にホッとしつつ俺も椅子に腰かけると、先輩がコーヒーを注いだ紙コップを目の前に置いてくれた。


「いやー、それにしても大変だったね。

 まさか後輩君の家にサキュバスが現れるとは」

「実害はありませんでしたよ。話せば分かる良いやつでした」

「おいおい実害は受けてるだろう? ボクたちみーんな呪いに掛かっちゃってるじゃないか」


 おどけたように先輩がそう言ったように、この二人も既に昨晩の事と呪いの件は把握している。

 把握している……はずなのだが。


「驚きました。二人とも平気そうで……俺なんか朝は大変でしたよ──ぁっ」


 やべっ。いまのセクハラか?


「大変だったねぇ。まぁボクは大丈夫だから、襲われる心配とかはしないでくれていいよ」


 普段通り笑って対応してくれる式上先輩を見るに、セーフだったらしい。

 ……今のがセーフなら、質問しておきたいことがある。

 とても大事な質問だ。


「あの、先輩はどうやって呪いの影響を抑えてるんですか?

 なにか方法があるなら……俺にも教えてほしくて」


 努めて冷静な顔で振舞っている俺だが、ぶっちゃけるとクッソムラムラしてて机の下ではイチモツが甘勃起してしまっている。

 何かきっかけがあればこの半勃ち状態から一気にデストロイモードへ変身しかねないし、先ほどからスカートからチラチラ見えてくる式上先輩やインの太ももや足をほぼ無意識に目で追ってしまっていて、実はかなりヤバイ状態だ。


 これを抑制する術があるのならば一刻も早く教えてもらいたい。

 よく動く式上先輩のスカートはヒラヒラしていて、体が小さいわりに肉付きのいい彼女の魅惑的な太ももは目に毒。

 人形みたいに無表情で固まっているインは、俺が下半身を凝視しても意に介さずボーっとしているため、その肢体を眺め続けていいのだと邪な感情が増幅されてしまう。


 そもそもこの抜きゲーみたいな世界観のせいで、この学園の制服のスカートは元から丈が短すぎて色々とアウトなのだ。

 スカート丈をいじっていないインや先輩ですらも、まるでエロゲのキャラクターのように、しっかりと膝から上の太ももが見えてしまっている。

 

「くっ……」


 目をそらしても、ほんの数秒で視線が戻ってしまう。


「……っ!」

「ん……コウ?」


 ちょ、こっち見ないで美少女。

 顔がいい。まってコイツかわいくない……?

 インのそのやわらかそうな頬っぺた触りた──うああぁぁァァッ!!

 やばい。つらい。きつい。

 そんな弱音が口から漏れそうで油断ならない。

 実はもうバレてるんじゃないかって程に二人の下半身を凝視している自分に嫌気が差すものの、彼女たちの身体を眺めることで心の中が充足感で満たされているのもまた事実であった。


 端的に言って、性欲がヤバイ。

 喉の奥が乾いて仕方がない。

 心臓が激しく鼓動していて、彼女たちの身体に触れたいと渇望してしまっている。


 ……サキュバスの呪いヤバくねえか!?

 あの、先輩。早くこのとんでもない色欲をどうにかしている方法を教えてください。

 自分マジでちょっとかなりヤバイんで。


「どうにかって……お家でたくさんオナニーしてきただけだよ?」


 うぇっ?


「それで学校来た後も、ムラムラしたらすぐにこの基地かトイレに行って、自慰に耽っているんだ。

 些か回数が多くて……流石にちょっと疲れてきたけどね」

「先輩そんなシンプルな方法だけで……?」

「他に方法ないだろう」

「じっ、じゃあインはっ!?」


 焦って首を横に向けると、インは小さい声で呟く。


「女の自慰のやりかた、知らない」


 なん……だと……?


「それなら何でそんな平気そうに……」

「おや。きみ、本当にイン君が平気そうに見えるのかい? しっかり見てごらんよ」


 先輩に言われて、改めてインを頭の上からつま先までじっくりと見まわす。

 じっくり、じっくり、ねっとりと舐め回すように──


「──あっ」


 視姦するかのごとく彼女をしっかり観察したことで、ようやく違和感に気がついた。

 インの白皙な頬はほんのりと赤みを帯びていて、首元には少し汗が浮かんでいる。

 ジッと固まっているように見えていたがそれは違い、スカートの上に添えられた両手は震えていて、腰から下──太ももや膝を身じろぎさせていて、落ち着かない様子だ。

 

「い、インお前っ、大丈夫か……?」

「わからない。女の体になってから、興奮したことなんて無かったから」

「それって大丈夫じゃないやつ!」

「っそう、かも──」


 フラフラと小さく体を揺らしているインは、俺の言葉で自身の容態を自覚した瞬間、椅子から落ちて倒れてしまった。


「インっ!?」


 急いで駆け寄って抱き上げるが、インは虚ろな瞳で、苦しそうな呼吸を続けている。

 ど、どうすればいい。

 こんな時だってのにインの柔らかい体を触ってる事実を嫌でも自覚してしまって、思考が思い通りに纏まらない。

 腕時計は赤い点滅をしていないから、俺のフェロモン噴出は終わっている。呼吸の妨げになっている鼻栓は外させたほうがいいか?

 ティッシュを用意し、彼女の鼻に添えた。


「イン! 鼻かめ!」

「ん……」


 とりあえず詰めてあった鼻栓を出させて、鼻と口の両方で息をできるようにしたが、ここからどうするか。

 ロリ先輩たすけて! どうしよう!?


「どうもなにも、性欲を発散させるしかないよね。この様子だと十回以上は絶頂させないと治まらないかも」


 なるほどっ! で、性欲の発散ってどうすれば!?


「それは……まぁ、イン君が決めるべきだけど……本人がその状態だしね。

 ここは彼女の親友であるきみが決めたまえよ」


 うええぇっ!?



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― 新着の感想 ―
[一言] 自分からエロイベントに逝くのか、先輩に任せても責任は自分持ちになる罠
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