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1 神さま!! ありがとう!!【プロローグ】

短いです。


 太陽が水平線に沈もうとしている。


 その右側に目を移すと、山々が夕日を受けている。


 山々の手前には森が広がっている。


 所々は漆黒に包まれだし、眠る準備をしているようだ。


 更にその手前は大きな湖があって四方には街もあるのだが、一番近い街しか今の時間は判らない。


 それぞれの街には巨大な塔が建っている。


 夜間は灯台の様に明かりが(とも)るので、ここからでも良く判るのだが、日没前なので光は点されていないためすべての塔を確認することは出来ない。




「今日も、何事もなく平和な一日だったなぁ。ありがとうございました」


 それらに対して私はつぶやく。




 私の居る岬には大きな木が生えていて、その枝は風にそよいでいる。


 肌に当たる風が心地よい。


 木に咲いている花や実から、辺りに甘い香りが漂う。


 小鳥が飛んできて木に留まって、休んだり遊んだりしている。


 私はこのテラスのベンチから眺める景色が大好きだ。


 もう、どのくらい経っただろうか?


 知り合った人々も亡くなって……しかし、景色だけは季節により色彩り(いろどり)は変わるけれど、そこにあるモノは何一つ変化していない。


 私はその変わらない風景をただ見入るわけでもなく、眺めているこの時間が愛おしい。




 私は大分前にこの場所に来た。


 いや、飛ばされたと言った方が正解かもしれない。


 それは、私が好んでこの場所に来たわけでも無いからだ。


 それに、私は元の世界への戻り方が判らない……


 いつか私の居た世…………いや、両親のいる処に戻れるかも知れないと思い、日々を過ごしていただけ……


 しかし、今は、この世界での生活にも慣れて、戻れなければそれでも良いかと思えるようになってきていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] お、夕暮れの景色って好きだなあ、俺が一番好きな小説、というか物語の一つ、辻邦夫の『十二の風景画への十二の旅』の第一話もそうだったよ。 お、俺の部屋は昔から南向きだから、窓から首だして夕陽を…
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