そういえば、剣と魔法の世界だったね……
そういう訳で一度決めたメニューを白紙に戻し、食後すぐに僕は新たなメニューの考案に取りかかった。
そしてそのためにも、とある人物に協力を求める。
「レフィー、もしかして近くに居る?」
「ちょりすー」と言いながら、レフィーが天井から降ってきた。
「うわっ、出た!?」
「出たってなんすかー? 自分で呼んどいてひどいっす! 人をゴキカブリやモンスターみたいに言わないで下さいよ心外っすねー」
「ご、ごめん。まさか本当に居たとは……」
……ずっと張り付いてたのか?
むしろゴキより恐いんだが……って、そんなこと今はどうでもいい。
「あのさ、レフィー。実は訊きたいことがあるんだ」
「なんすか?」
「サラーガの国のことと、サラーガの王様のこと、なんでもいいから僕に話してくれないかな? 君の仕事内容的に、そういうことには詳しいはずだろう?」
「……機密事項も含めて?」
「うん、会談に出す茶菓子のためなんだ。知っている限りの全てを教えて欲しい」
レフィーは似つかわしくない難しい顔をした後、「誰にも内緒っすよー?」と僕に釘を刺してから話し始めた。
「サラーガの国はこの国の南東にあって、その国境をこの国とワートナーの国と接してるっす」
そこまでは僕も知っていたので、コクリと頷く。
「それでサラーガの国は今ウチの国と絶賛冷戦中なんすよ。貿易戦争とかも起こってるっす。……まあ、こっちも独自のルートでサラーガの商人達と秘密のやり取りはしてるんすけどねーフッフッフ」
「それで?」
「おっと話が逸れたっす。それでサラーガはこの国とだけで無く、ワートナーとも戦争中なんすよ。サラーガとワートナーはお互いを迂回する海上ルートを閉鎖し、国境付近ではドンパチもやってるっす。結果、今サラーガはピンチなんすよ」
「どうして?」
「実はワートナーの方に大きな山脈があって、そこから湧き上がる水を水源とした川がサラーガの灌漑用水の大部分を占めてるっす。でも今その川はワートナー側で塞き止められて、サラーガは超絶水不足なんすよ!」
「……なるほど。でも雨水があるだろう?」
「無いっす」
「いや、あるでしょ」
「無いっす」
「……なんで? 雨が降らないなんて地理的におかしいでしょ?」
「そうなんすよー」
「むしろこの国よりも雨量が多くてもおかしくないくらいだ」
「そっすそっす!」
「まさか砂漠みたいな地質で、雨が降っても全部吸収されちゃう土地だから、雨が降らないって表現されてるとか?」
「いや違うっす。そういう例えとかじゃなくて、ガチで雨が降らないんすよ」
「……もしかして、何かしらの力が働いているとか?」
「おっ、鋭いっすねー」
それは無いだろうと思いながらも、一応僕はその可能性を口にした。
「その力って……魔法とか?」
「当ったりー!」




