忍び過ぎな忍び
「朝になったらすぐに、このことをエリュシカに報告しに行こう」
僕がエレミーにそう話しかけると、思わぬ所から返事がなされる。
「その必要は無いっすよー」
驚いて振り返ると、そこにはレフィーの姿があった。
「レフィー!?」
「はーいレフィーcでーっす! いやー、あいつら近くの廃墟に逃げ込んでったっすよ! まず間違いなくあそこが仮拠点っすねー」
「いや、それよりもいつからそこに!?」
彼女は「んー」と、わざとらしく考える素振りを見せてから言う。
「最初から?」
「じゃあさっさと助けに入ってよ!? 忍んでる場合じゃないよね!?」
「いや、ウチもそのつもりだったんすよ? でもエレピッピがガチヤバ過ぎて、出る幕も処女膜も無くなっちゃったんすよー」
「なるほど、まあ確かにそうだよね」
「いや下ネタにツッコミして下さいよー!? 処女膜だけに! なんつってー!? にゃはっ!」
エリュシカめ……。
ちゃんと僕達に護衛兼監視役をつけてたんだな。
……まあこのギャル忍者じゃあ、本当に頼りになるのか怪しいところだけども。
「とにかく、レフィーの方から姫殿下には報告を頼むよ」
「うぃー。じゃちょっくらあいつらがどこの国の刺客か突き止めがてら、報告もしてきまーす! バイチョー」
「うん、よろしく」
厄介事はレフィーに任せ、僕とエレミーは今度こそ床に就いた。
そして翌朝、眠い目をこすりながらも店を開ける。
押し寄せる客を捌き、なんとか全ての商品を空にした後のこと。
ローブのフードを目深に被った、三人組の客が訪れた。




