最強の二人
「エレミーみたいな用心棒と出会えて、僕はラッキーだったんだな」
「私だけの力じゃない」
「えっ」
「これも全部、毎晩ナギから力を貰ったお陰」
「……えっ?」
「サキュバスの固有スキルの一つ、インサイドアドリーム《夢で逢えたら》を使って毎晩ナギから精力を吸い取って、魔力に変換して溜め込んでおいたからこそ、こうして戦える。私の魔力だけなら、この大人の姿にすらなれない」
「そういうことだったのか……。どうりでこっちに来てからというもの、えっちな夢ばかり見た訳だ……。この搾精鬼め……」
「ナギがえっちでよかった」
「えっちなのはそっちだろ? その姿で毎晩夢に出てきてさ!」
「えっ」
「……なんだよ?」
「インサイドアドリーム《夢で逢えたら》に出てくる相手は、普通はその人間の意中の相手」
「……え」
「つまりナギは出会ったその瞬間から……私に欲情してた?」
「ロリコンじゃないから!?」
「あー、なら幼女趣味の罪悪感を減らすために、夢の中で私を成長させたんだなー」
「ち、ちがっ!?」
「ロリコンー」
「違いますぅー!?」
「えっちー」
「そ、それは男だからね!?」
「まー満更でもない」
「えっ!?」
今がどんな状況だったのかも忘れ、僕とエレミーがコントの続きをしていると……。
まず、僕がその異変に気付いた。
「あっ」
次にエレミーも気付く。
「ん? ……あっ」
「逃げられてるし……」
そう、いつの間にやら刺客達の姿は、完全に消えていたのだった。
……ま、こっちの命があるだけマシか。
「ありがとう、エレミー」
僕が改めてそう礼を言うと、どこか恥ずかしそうにエレミーは言った。
「用心棒としての役割を果たしただけ」
……カッコイイこと言うじゃないか。
彼女は続ける。
「でも少々調子に乗って、ちょっと力を使い過ぎたかもしれない……」
「えっ」
再び強い光を発し、エレミーは再び元のちんちくりんな姿へと戻った。
「この通り魔力を使い過ぎれば、夜といえども本気の姿を保てない……」
「そっか、無理させちゃってごめんね」
「平気」
和菓子チートの僕。
戦闘力チートのエレミー。
もしやこれは、異世界最強コンビなのでは?
ふたりはさいつよなのでは?
……でもサキュバスの力は夜限定ってところが痛いな。
何か手を打たなきゃ、昼に襲撃されたら今度こそ大変なことになるぞ……。
この件の報告も兼ねて、エリュシカに護衛の要請をしてみるかな。




