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異世界甘味処 木の実  作者: 兼定 吉行
帝都へ、指導、好機
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ZUNDA殺人事件

 それと国家を挙げての餅米捜索に到っては、早くも進展が見られた。

 粘り気の強いものや、モチモチとした食感の米は全て城に集められ、それぞれを蒸しては味見を繰り返し続ける日々を過ごすこと一週間。

 ついにそれらしきものを発見。

 早速特別に作らせた臼と杵を使って突いてみると、立派な餅となった。

 これで大福みたいな和菓子が新たに作れるようになったぞ! 

 それに冬には白玉粉の生産も行える。

……テンション上がってきたっずぇっ! 

 一先ずはこのつき立ての餅を、頑張ってくれたこの場に居る仲間達に振る舞おうか。

 でも今から小豆を煮ても、大豆を挽いてきな粉にするのも間に合わない。

 折角のお餅が固くなってしまう。

 そこで僕が目をつけたのは、大豆の未成熟な状態である枝豆だ。

 茹でてからこの枝豆を潰し、こちらへ来てから作った麦芽水飴と砂糖とを混ぜ合わせただけのお手軽餡を作り、そこに適度な大きさに千切った餅をポイポイポポイと放り混んだら……はい完成! 

――そう、ZUNDAである。

 その場でずんだ餅を振る舞うと、まずは皆その青々とした色味にギョッとしていた。

 ある者は顔を引きつらせ、かと思えばその色合いを美しいと褒める者も現れ、評価は二分。

 そんな中、空気を読まず最初にずんだ餅に口をつけたのは当然ウチのボディーガード(フロアスタッフ)である。

「んー、つるつるーモチモチー……大豆いい香り、ツブツブー甘々ー……おいひぃー」

 バカの感想か!? 

 急激に知能指数が落ちたかのような語彙力で、下品にももぐもぐしながら恍惚に満ちた表情で感想をうわ言のように溢すエレミー。

 だがそれをきっかけに、なぜか二の足を踏んでいた者達が皆ずんだ餅に手を伸ばし始めた。

……感想がアレでも、美味しいものを食べてる時の顔だけで充分に味が伝わるものなんだな。

 勉強になりますエレミー先生! 

 無言で頬が張る程餅を口の中に詰め込み、自身もつき立ての餅のようにとろんと表情を蕩けさせているエレミー先生。

 ゆっくり食べていってね。

 皆は口々に「こんな甘味は初めてだ」「うまい」「凄い弾力だ」「おっぱいのようだ」と、初めて食べる餅に感動していた。

 そんな和やかな雰囲気が流れる中、それは起こってしまう。

「――ンガッ!? ングッ! ……ンゴブッ!?」

 顔を真っ赤にし、悶絶する幾人かの者達。

 更にその中の何人かは、バタンと床に倒れた。

……はっ!? 

「毒殺か!?」と言う声が辺りを飛び交う。

 ヤッベ……。

 大事な注意事項を伝え忘れてた……。

「み、皆さんよく聞いて下さい! 餅はよく噛んでから飲み込んで下さい! そして倒れた人達は餅を喉に詰まらせた人達です! どうにかして餅を取り除いてあげて下さい! そのままでは死にます!」

 そこから場は大混乱。

 一人の犠牲者も出さずに済んだからよかったものの、あわや大量殺人。

 危うく敵国が送り込んだスパイの嫌疑をかけられてしまうところだった……。

 この後エリュシカからメチャクチャ怒られた。

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