スイートナイツ爆誕
エリュシカが告げる。
「ではそなたら二名を本日付でイド帝国特殊騎士団、初代スイートナイツ所属とし、騎士の称号を授ける。ただし極秘の任務ゆえ、その所属を名乗ることは禁じる。あくまで普段は、皇家御用達の菓子屋として振る舞え」
なんだ、形だけの称号かよ。
僕がそう思った直後、エリュシカはこう付け加えた。
「そして皇家御用達となったことにより、我が城内にて要人をもてなすために極秘に精製され、市場には出回ることの無い上白糖の使用を許可する」
「ええっ」
上白糖の精製が出来たのかよ!?
予想外だ……。
それに味に癖が無く、食材の色に影響を与えない白糖が使えることは大きいぞ!
和菓子のレパートリーが増やせる!
グラニュー糖じゃなくて白糖ってところも、和菓子的にありがたい!
エリュシカは更に、耳を疑うような言葉ばかりを怒濤の勢いで並べ立てる。
「他にも必要な素材があれば申し出るがいい。最優先で入手しよう。そして欲しい素材が存在しない場合は、この国の生産力を使って製作することも許可する」
「……マジすか」
「マジである。そなたは和菓子作りに専念しろ」
「あ、ありがとうございます!」
まさか、こんなことになるなんて……。
趣味だった和菓子作りを、国の支援で出来るとかここは天国かよ!
戦争中ということも失念し、すっかり僕は浮かれてしまうのだった。
ここでエリュシカが、少し表情を和らげて本心の一部を吐露し始める。
「……まあ、国の生産力を使ってとは言ったが、本当は職にありつけないものに仕事を与える目的もあるのだがな。イドは長らく就職難が続いているゆえ、むしろそうなることを期待しているのだ」
「お任せ下さい!」
「ほう? 既に雇用を生むような何かがあるのか?」
「はい!」
「それは他国との貿易の材料足りうるか?」
「はい!」
「よろしい。必要な人員と物のおおよその見当がついたなら、すぐに帝都の私の元を訪ねよ」
「はい! 明日の朝一番にでも伺いましょう!」
「言うじゃないか……結構。技術指導もよろしく頼んだぞ」
「お任せあれ!」




