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謎のお手紙
「誰だろう?」
「友達から?」
「……違うと思う」
この世界にまだ友達なんて居ないからね!
「じゃあ誰?」
「さあ?」
手紙にはなぜか、宛名が書かれていなかった。
僕が訝しげに手紙を眺めていると、エレミーが手を伸ばしてくる。
「見せて」
「いや、見たってどこにも名前は書かれてないよ?」
「いいからー」
「はいはい」
しょうがないからこの駄々っ子に手紙を渡してやった。
すると封をする蝋に百合の花の刻印があるのを見付けた瞬間、エレミーが表情を凍りつかせる。
そして一言。
「これ、皇家の紋章」
「ええっ!?」
まさかの相手。
「つまり、これを送ったの皇族の……?」
「多分」
「一体なんの用だよ……」
帝都から追い出した僕に、何を求めてるっていうんだ?
うーんと悩む僕に、エレミーが言った。
「開ければわかる」
「そ、そうだね。じゃあ……開けるよ?」
「うん」
蝋の封を割り、おもむろに中の手紙を取り出す。
するとそこには、こんなことが書かれていた。
『ナギ・イザワはこの書面を見たのち、すぐにこの手紙を持って皇城にまで参向するべし。』




