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異世界甘味処 木の実  作者: 兼定 吉行
物件探し、準備、開店
22/87

オマーン国際空港は異世界に実在した(あった)

 朝になり、早速徹夜仕事の成果をエレミーに見せると、彼女はこう言った。

「ナギがグール化してる」

「ただのクマだよ! 徹夜してこれを作ってたからね!」

 ようやくエレミーの視線が僕の顔から、下に移動する。

「……綺麗なバスタオル」

「バスタオルじゃなくて、これは着物って言うんだよ」

 まあ、この世界の木地を使って作ったなんちゃって着物だけど……。

「着物……綺麗」

「店ではエレミーにこれを着て欲しいんだ」

「私がそんな綺麗なものを着ていいの?」

「いいさ。むしろそんなボロのまま接客をさせる訳にはいかないしね」

「……わかった。着てみる」

 そう言うなり、エレミーは突如なんの逡巡もせずに着ていた服を豪快に脱ぎ脱ぎし始めた。

「――いっ!?」

 ぬぎぬぎタイムですか!?

 慌てて僕は背を向ける。

……大丈夫。

 小振りなお椀型の何かと、桜色の何かが見えた気がしたけど、それはお椀と桜の花びらでしかないから大丈夫大丈夫。

 他にもつるんとした土手と割れ目も下の方に見えた気がしたが、あれは脇だろう(混乱)。

 バクバクと拍動する心臓を胸の上から手で押さえ、気持ちを落ち着けていると、背後から声が掛けられた。

「ナギ、着物貸して」

「あ、ああ」

 持っていた着物を後ろ手に渡してしばらくすると、彼女が言う。

「着たよ」

 僕は一つ深呼吸してから振り返った。

「どうかな?」

 そうとぼけた顔で感想を求めるエレミーの姿に、目を疑う。

「――ちょっ!? おまっ!? オマッ!? Noooooッ!?」

 なんと彼女の頭にはターバンのように帯が巻かれ、着物はバスタオルのように羽織っているだけであったのだ。

 当然前がはだけているため下腹部は丸出し。

 可愛らしいおへその下にはやはり見間違いではなく、つるつるのオマッ、オママママ、オムアンッ、オマーン……国っ際空港が、本日の空の便の受け入れを始めていた(混乱)。

 現実世界には存在しない筈のネタ空港、伝説のオマーン国際空港は、異世界にあったんだなぁ(状態異常)。

 虚構だけど、虚構じゃなかった(ジブリ感)!

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