オマーン国際空港は異世界に実在した(あった)
朝になり、早速徹夜仕事の成果をエレミーに見せると、彼女はこう言った。
「ナギがグール化してる」
「ただのクマだよ! 徹夜してこれを作ってたからね!」
ようやくエレミーの視線が僕の顔から、下に移動する。
「……綺麗なバスタオル」
「バスタオルじゃなくて、これは着物って言うんだよ」
まあ、この世界の木地を使って作ったなんちゃって着物だけど……。
「着物……綺麗」
「店ではエレミーにこれを着て欲しいんだ」
「私がそんな綺麗なものを着ていいの?」
「いいさ。むしろそんなボロのまま接客をさせる訳にはいかないしね」
「……わかった。着てみる」
そう言うなり、エレミーは突如なんの逡巡もせずに着ていた服を豪快に脱ぎ脱ぎし始めた。
「――いっ!?」
ぬぎぬぎタイムですか!?
慌てて僕は背を向ける。
……大丈夫。
小振りなお椀型の何かと、桜色の何かが見えた気がしたけど、それはお椀と桜の花びらでしかないから大丈夫大丈夫。
他にもつるんとした土手と割れ目も下の方に見えた気がしたが、あれは脇だろう(混乱)。
バクバクと拍動する心臓を胸の上から手で押さえ、気持ちを落ち着けていると、背後から声が掛けられた。
「ナギ、着物貸して」
「あ、ああ」
持っていた着物を後ろ手に渡してしばらくすると、彼女が言う。
「着たよ」
僕は一つ深呼吸してから振り返った。
「どうかな?」
そうとぼけた顔で感想を求めるエレミーの姿に、目を疑う。
「――ちょっ!? おまっ!? オマッ!? Noooooッ!?」
なんと彼女の頭にはターバンのように帯が巻かれ、着物はバスタオルのように羽織っているだけであったのだ。
当然前がはだけているため下腹部は丸出し。
可愛らしいおへその下にはやはり見間違いではなく、つるつるのオマッ、オママママ、オムアンッ、オマーン……国っ際空港が、本日の空の便の受け入れを始めていた(混乱)。
現実世界には存在しない筈のネタ空港、伝説のオマーン国際空港は、異世界にあったんだなぁ(状態異常)。
虚構だけど、虚構じゃなかった(ジブリ感)!




