食べると元気が出る白い粉
まずは葛粉を砕き、そこへ少しずつ水を加えた。
それから溶いた葛粉を布で裏漉しし、溶け残ったものや不純物を取り除く。
それを鍋に入れて火を通していくと、白濁していた葛粉を溶いた水に変化が起こり始めた。
エレミーが驚いた様子で鍋に顔を近付けてこう呟く。
「なんか色が消えてきてる」
彼女の言った通り徐々に液体は白みを失い、透明に変わりつつあった。
同時に粘りも出始める。
それを見たエレミーが、とんちんかんなことを言い始めた。
「もしかして街の外でどこからともなく現れては襲いかかってくるスライムを作っているのは……ナギ?」
「そんな訳無いでしょ」
「だよね」
バカを適当にいなしつつ、液体が全体的に透明になったところで火を止める。
そして鍋の中身を先に水で濡らしておいた容器に流し入れ、同じく濡らした鍋の蓋で押さえて形を整えた。
「さ、これで後は水で冷やして固まれば完成だよ」
「やったー」
「でもまだすることがあるから、エレミーにも付き合って貰うよ。荷物運び手伝ってね?」
「わかった」
食べ物のことに関しては割と素直なエレミーを連れ、僕が向かったのは水車小屋だ。
ここでは誰でも水車税さえ払えば、製粉のための機械を使用させて貰えるということを不動産屋から聞いていた。
よって僕は買っておいた大豆を持ち込み、ここではそれを潰してきな粉にする。
ついでに壷と棒を使って精米を済ませた米も持ってきたので、それも米粉にした。
これで作れる和菓子の幅が広がったぞ!
食べると元気が出る粉を挽き終わると真っ直ぐ家へ持ち帰り、すぐに作業を再開させる。
鍋に黒糖と水を入れて煮立たせ、さくっと黒蜜を作成。
固まっていた葛粉を食べやすい大きさに切り分けて皿に盛付け、挽いたばかりのきな粉、黒糖を掛ければ葛餅の完成だ。
「さ、召し上がれ」
「いただきます」




