なにこれドブ?
翌朝。
なぜか体の疲れが全然取れていない。
理由は大体わかっている。
昨晩見たえっちな夢のせいだ。
夢の中で僕は、エレミーが十七歳くらいにまで成長したような女性から身体中をまさぐられたり、舐められたりと、童貞の想像力の限界ギリギリを攻めるようないやらしい行為を延々と繰り返していた。
いやぁエロかった。
……疲れが取れない訳である。
更に夢の中では発車オーライな感覚があったため、焦って飛び起きて一応パンツの中を確認したが、大惨事には至っていなかった。
……やれやれ、僕は発車しなかった。
そんなこんな起きてきたエレミーを眺めつつ、早く夢で見た年齢まで成長しねぇかなとか思いながらも適当に朝食を済ませ、昨晩寝かせた汁の様子を見に行く。
すると最後に見た時は茶色かったはずの水が、焦げ茶色へと変色していた。
「何これドブ?」
そう思ったことをそのまま口にするエレミーの脳天にギルティチョップをかましてから、僕はドブ水の入っていた容器をゆっくりと傾けていき、上水を捨てていく。
すると底の方に沈殿していた、葛の白っぽい成分が現れた。
これが葛粉になるのだが、まだ完成ではない。
ここへ再び水を入れて撹拌し、同じように葛粉を沈殿させるのだ。
その作業を繰り返すこと六回。
気付けば朝日が西の山の向こうへと沈んでいた。
ここで再び上水を全て捨て、今度は水を加えずに一晩放置。
翌朝すっかりと乾燥した葛粉を見て、エレミーが呟く。
「凄い白くなってる」
「うん、成功だ!」
三日を掛け、ようやく葛粉は完成したのだった。
だがまだ不純物が混じった状態であるため、店を開くまでには何度か昨日までと同じ工程を繰り返す必要があるようだ。
……果てしない。
けれどまずはこの不純物混じりの葛粉を使って、手伝ってくれたエレミーのための和菓子作りに取り掛かる。
「さ、キッチンへ行こうか。お待ちかねのお菓子を作るよ」
「やったー」




