せっかく作ったのに
あの雲の形が
遠くで変化する時
小さな蟻の行列が
大きく乱れている
下世話な話も
誰もが綺麗に思う話も
消えた部分のことは
考えないものだ
透明になったものは
記述された紙の上に
一行だけにされて
取るに足らない項目だと
読み飛ばされていく
存在とは
それを指している
人であるなら
知られない人間だ
パーツの一部でありながら
そのパーツに名前が無い
この水面の形が
近くで変化する時
大きな牛の群れが
小さく乱れている
個人的な話も
集団の中での話も
上手く使えるからこそ
考えないものだ
透明になったものは
空気の中に混ざり合い
肺の中に吸収されて
取るに足らない感覚だと
笑い飛ばされていく
存在とは
それを指している
人であるなら
分からない人間だ
性質を生み出したなら
消えてしまう認識なのだ
花粉が舞う意味も
ウィルスの生き方も
一纏めになる
違いを認識しながら
同じ部分を探し出し
頭の何処かに当てはめる
パズルゲームのパーツ
偏見も珍事も
事件も普通も
同じでありながら
深度と濃度が違う
そこにある形を幸せにする為に
僕等は優しさを作ったのに