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最強吸血鬼、世界を旅する  作者: 妖狐の戯れ
聖リース王国編
3/27

森の中で

 神殿から出ると月が昇っていた。


「夜か、太陽が出ていないのは復活したばかりの俺にとってはありがたいことだな」


 まずは自分の調子の確認と行くか。

 そうだな、まず目は夜でも問題なく見えているな。魔力のほうも問題なくあやつれるな。

 ……………とりあえず服を着るか。


 トワイライトは何もない空間に手を突き出した。


亜空間(ディメンション)


 黒色に統一されたまるで貴族の着るような服と黒い服に対するような真っ白な剣を取り出した。


「よし、体のサイズも変わっていないようだな。若干肉が落ちたくらいか。」


 ガサガサッ  音のしたほうを見やるとゴブリンが3匹、飛び出してきていた。 


「グギャギャギャーグギャググギャ」


「ゴブリンか、ちょうどいい、剣の調子でも確かめておくか。」


 ゴブリンはグギャグギャ騒ぎながらまっすぐ突っ込んできた。 

 全く、いつの時代でもゴブリンは単調な奴らだな。 トワイライトはゴブリンの後ろに素早く回り込み剣を一閃させた


 ゴトッと鈍い音を立ててゴブリンの首が落ちる。遅れて首から大量の血飛沫が舞った。


「ふむ、剣の腕はそこまで落ちていないようだな。」


「グギャギャ!!!?」


 残りのゴブリンは驚いた様子で後ずさる。


「やれやれ、相手との力量差を見誤るからあっさり死ぬことになるんだ」


 そう言うと驚いて固まっていたゴブリンに素早く近づき、首を落とした。


 残るは1匹か、せっかくだし、魔法の確認もしておくか。

 後ろを向き、一目散に逃げだしているゴブリンに手をかざす。


闇の弾丸(ダークバレット)


 手から放たれた黒い弾丸に貫かれゴブリンははじけ飛んだ。


「少し魔力を込めすぎたか、もう少し調整がいるか。」


 さて、この時代でも魔物の死体が売れるのかは不明だが、一応回収しておくか。


 亜空間に死体をしまいトワイライトは、暗い森の中をまた歩き出した



















 翌朝、森の中に一人の少女がいた。


「暑いなぁ、早く頼まれてた薬草を見つけて帰ろ」


 少女は危険な森の中に生えている薬草を取りに来ていたのだった。


 バサバサバサッ 遠くのほうで大きな鳥が飛び去った。


 ビクッ 「ははは、薬屋のおじさんも森の浅いところに生えてるって言ってたし大丈夫だよね」


 びくびくしながら森の中を進んでいくと、遠くのほうで白い花が生えているのが見えた。


「あっ あったあった、これだねおじさんの言ってた薬草って。 きれいなお花だなぁ」


 ガサガサガサっ 


 草をかき分けて出てきたのは黒い服に身を包み、鞘まで白い剣を持った男だった。


 貴族さまが着るような服を着ているのに、なんでこんな森の中にいるんだろう。

 少女は不似合いな格好をした男を怪しく思いながら問いかけた


「あなたは誰?どうしてこの森にいるの?」



























 トワイライトは森を歩きながら、ある一つのことを考えていた。


「うむ、全く道がわからん。どうしたものか…………考えても仕方ないか、とりあえず歩くとしよう」


 トワイライトは歩き続けた。途中で魔物を返り討ちにしたり、川を見つけ休憩しながら、進み続けた。


 歩き続け、森を抜けられないことにイラつき森ごと消し飛ばすか、などと物騒な考えが頭をよぎりだしたとき、展開していた感知に人族の反応があった。


「ようやく森を抜けられそうだな」


 人がいるなら森の抜け方は聞けるとは思うが、俺を見たら、殺しにくるかもしれんな。

 できれば襲いかかってこないと助かるな。


 草をかき分けて人族の反応に向かっていくと、白い花を摘んでいる少女がいた。

 こんな森にまだ成人を迎えていないような少女がいるなんて珍しいな。そんなことを考えていると声をかけられた。


「あなたは誰?どうしてこの森にいるの?」


「俺はアドライト・トワイライト、森を歩いてたら迷ってしまってな、良ければ森を抜けるのに案内をお願いできないか?」


「ア、アドライト・トワイライト!?伝説に出てくる吸血鬼と同じ名前だ」


「伝説?どうゆうことだ?」


「むかしのおとぎ話の中に出てくる聖女様に封印された吸血鬼が、アドライト・トワイライトって名前なんですよ!」


 なるほど、あの時の出来事はそんな話になっていたのか。名前を出したのは失敗だったか。


「そうなのか、できれば俺がその吸血鬼ということは黙っていてくれないか?」


「いいですよ、その代わり条件があります」


 条件か、金か、命か、どちらにせよ面倒だな。もし、内容が悪ければ、ここで口を封じておくか。


「いいだろう、俺をアドライト・トワイライト知って条件を付けることはそうそうできることではない。俺にできることなら聞いてやろう」


「条件は二つあります。まず森を出て街につくまで私の護衛をしてくれること。もう一つは、アドライトさんは封印から覚めたばかりでお金とかもっていないと思うんですよ。だから私の家がやっている宿屋に泊まってください。」


 ふむ護衛は問題ない、確かに金を持っていないし宿屋に泊めてくれるというのも条件としては悪くない、むしろ好条件であるともいえる。しかしわからんな、どうしてここまでするのか。まぁ罠ならそれはそれで食い破ればいいまで。


「よし、その条件で引き受けよう。」


「ありがとうございます。では護衛のほう、よろしくお願いしますね。あ、私シャリーって言います。」


「シャリーか、いい名だな、俺はそうだな、アランとでもしておくか。さて、互いに自己紹介も済んだところで進むとしよう」


「はい、あっでもちょっと待ってくださいね、薬草だけ摘んじゃいますね」


 摘んだものは俺が持っておいてやろう。


『亜空間』


「わー!すごい、それ魔法ですか!?」


「そうだ、亜空間に物を入れておける魔法だな、中は異次元になっていて時も進まないから痛むことはないから安心しておけ」


「魔法ってすごいんだなぁ、平民の私には使えませんからうらやましいです。」


 平民だから使えない?おかしいな、このシャリーという娘には高い魔力が備わっている。

 なるほど、まだその存在に気がついていないのか。森を案内してもらう礼だ。少しレクチャーしてやるか。


「シャリーも使えるようになるぞ、街につくまで俺が少しレクチャーしてやろう」


「ほんとですか!?ありがとうございます。じゃあ、行きましょうか」


 二人は森の中を歩き始めた


誤字・脱字や表現の間違え、感想などお待ちしています。

気に入っていただけましたら是非ともレビューのほうもよろしくお願いいたします。

作者のモチベーションにつながります(*^-^*)

Twitterを始めましたので、よろしければフォローのほうよろしくお願いします。

@YoukoNoTawamure

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