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最強吸血鬼、世界を旅する  作者: 妖狐の戯れ
聖リース王国編
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蘇る伝説

 

「ママー、わたしぜんぜんねむれれなーい。なにかおはなししてー」


「そうねー、じゃあ遠い昔から伝わる伝説の聖女様のお話をしてあげるわ」


「せいじょさまのおはなしー!?」


 むかしむかーしの遠い昔、ヴァンパイアと呼ばれるものすごい強くて怖い種族がいたの。その時代ではね、人族を含みエルフやドワーフ、魔族の国がまだつくられていない時代だったの。そんな時代に強さだけで世界中を恐怖で支配し強大な国を作っていたのがヴァンパイアだったのよ


「すごーい、どのくらいつよかったの?」


 そうね、今の時代に合わせるとヴァンパイア一人で軍隊を相手に取れるくらいの強さだったと言われているわ。その中でもひときわ強いヴァンパイアがいたの。それが歴代最強の吸血鬼。


 名をアドライト・トワイライト


 トワイライトはね、ヴァンパイの国の中でも異質な存在であったの。国の王様の言うことも聞かず、自分の好きなように生き、世界を旅していたといわれていたわ。


 自分の言うことを聞かないトワイライトに怒った王様はね、すべての種族に対してトワイライトを殺すように命令したの。


「そのおうさまはわるいひとだね。」


 そうね、でもねトワイライトはとても強かったの。世界中の人が手を組んで戦っても、圧倒的な力で勝ち続けたの。


「トワイライトってつよかったんだねー」


 王様の命令から何年もたったある時、人族の中に特別に美しく聖なる力を持った女性が生まれてきたの。


「わかったー、せいじょさまだー」


 よくわかったわねー、そうなの聖女様がお生まれになられたの。トワイライトもね、聖女様の聖なる力には敵わなかったみたいで、聖女様はついにトワイライトを深い森の奥に封印することに成功したの。


 吸血鬼の王はトワイライトが封印されたことを喜んだわ。でもあのトワイライトすら封印することのできてしまう聖女の力がいつ自分たちに向かうのかと恐れたヴァンパイアたちは聖女様を何とか殺そうとしたの。


「おうさまのいうこときいてあげたのにひどいね」


 そうね。シャリー、あなたは人に優しくできるようになりなさいね。


「うん、わたしやさしくする! それでせいじょさまはどうなったのー?」


 聖女様はね、向かってきた吸血鬼たちをすべて倒すことができたのよ。それで吸血鬼たちの国は滅びることになったの。

 そのあとすべての種族が吸血鬼の作った国をまねしてそれぞれが国を作ったの。なかでも聖女様を中心とした人族の国はとても大きな国となったわ。それがいま私たちの暮らしている、聖リース王国なのよ。


「すごいんだねせいじょさまって、わたしもせいじょさまみたいになりたいなー」


 聖女様みたいになるにはいい子でいなくちゃね。ほらもう寝なさい。


「はーい。ママおやすみなさーい」


「おやすみシャリー」



















 そこは強大な魔物が跋扈する深い森の中、強大であるはずの魔物が全く寄り付かない古びた神殿、その中にあるは漆黒の棺。漆黒の棺にアドライト・トワイライトは永劫に封印されていた………


 はずだった。


 魔物たちはトワイライトに本能的に怯えていたのだった。封印からわずかに漏れ出すトワイライトの力に。



 ギギッ 棺のふたがゆっくり音を立ててひらいた。

 棺のふちに手がかかり、中から一人の男が出てきた。


「ふむ、魔素がかなり薄まっているな。まぁ問題はなかろう。」


 それは黒髪で、燃えるような真っ赤な瞳をした男だった。

 この男こそ伝説とされる封印されし吸血鬼、アドライト・トワイライトだった。


「さて、あれからいったいどれほどの時がたったか、全くの不明であるな。」


 体の調子はあまり良いとは言えないが、まずはここから出るとしようか


 トワイライトはゆっくり歩きだした。


誤字・脱字や表現の間違え、感想などお待ちしています。

気に入っていただけましたら是非ともレビューのほうもよろしくお願いいたします。

作者のモチベーションにつながります(*^-^*)

Twitterを始めましたので、よろしければフォローのほうよろしくお願いします。

@YoukoNoTawamure

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