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最強吸血鬼、世界を旅する  作者: 妖狐の戯れ
聖リース王国編
11/27

クエスト開始

 ゴブリンの集落が発見された翌日の朝、冒険者ギルドにはたくさんの冒険者が集まっていた。


「よし、みんなよく集まってくれた。昨日眠りの森の奥地にてゴブリンの集落が確認された。規模はおよそ300。ここにいる冒険者諸君にはこの事案に対応してほしい。」


 冒険者たちから抗議の声が上がる。

「ま、まってくれよ。300規模の集落なんてここにいる人数なんかじゃ全然足りないぜ?」

「そ、そうだぞ!ただの集落でさえ高ランクパーティが複数規模で当たる事案なのに眠りの森の奥地にあるんだろ。ローズマリスの冒険者だけでは対応できないぞ!」


 やはり集落壊滅の難易度をベテランは理解しているか。わかっていないのは新人くらいか。

「へっ、たかがゴブリンだろ?なにビビってんだよ!俺たちが全部片づけてやるぜ!」


 やはり危険度を理解していない奴もいるのか、いやわかっていっているのか?


「彼は最近Cランクに昇格したリステル、疾風の銀雷のパーティの新人のようです。」


 セシルは全冒険者を把握しているのかってくらい有能だな。それにしてもあれが新人か、

「あのAランクパーティ、疾風の銀雷の新人か、実力はありそうだな。」


 いろいろ言いたいことはあると思うが、まずは俺の立てた作戦を聞いてくれ。そのうえで受けるかどうかは君たちの判断次第だ。今回の依頼の報酬は参加した冒険者に銀貨3枚だ。


「じゃあ、説明を始めるぞ」
















 冒険者ギルドで説明が始まったころ、アランはシャリーと朝食をとっていた。


 やはり、この宿の食事はうまいな。シャリーの魔法の件もある、しばらくはここを拠点にするか。

 そんなことを考えながら食事をとっているとシャリーが声をかけてきた。


「アランさん、今日は何か大事な話があるから冒険者はギルドへ来てほしいと、連絡が入ってましたけどいかなくていいんですか?」


 ああ、そういえば、アレックスが集落についての対応策を話すと言っていたな。

「ああ、俺は参加することが決まっているし、やることも大体わかっているからな。それに俺はシャリーとの食事の時間のほうが大事だからな。」


「も、もう、からかうのはやめてくださいよ~」

 そういいながらもシャリーは嬉しそうであった。しかしアランは気づいておらず、むしろ顔を赤くしていたシャリーを見て怒っていると勘違いしていたほどである。


 長くを生きる吸血鬼でも乙女心というものはいまだ理解することはできていないようである。


 そんなことがありながらもシャリーとの食事の時間はアランにとっての楽しみとなっていたのだった。

 まるで昔に戻ったみたいだな、そういえばあの時のあいつもこんな顔をしていたな。ちょうど同じくらいの年頃だったな。そう考えると俺は成長できていないようだな、、、ま、まあ、俺には有り余るほどの時間がある。まだまだこれから知っていくとしよう。


 シャリーとの食事を済ませ、アランはここでようやく冒険者ギルドに向かった。


 アランがギルドにつくと、中には大勢の人がいた。


 こんなにも沢山の冒険者がいたのか。普段の時とは比べ物にならないな

 お、あそこにいるのはルリイじゃないか、近くの冒険者になにやら言われているようだが、、

「おはようルリイ、どうしたんだ?」


 俺が話しかけると、ルリイは一瞬笑顔を見せたもののすぐにうつむいた。そして小さく答えた。

「ニャ、べ、別に何でもないのニャ…」

 ルリイの様子に違和感を感じていたが、そのわけをすぐに知ることとなった。


「ん、なんだぁお前。獣人なんかに挨拶なんかしちまって、おい行くぞお前ら。」

 ルリイの近くにいた冒険者の男たちは、人族主義でありルリイを馬鹿にしていたようだった。


「あはは…アランさんも私なんかに関わらないほうがいいのニャ…」

 ルリイはさみしそうで、そして悔しそうな顔でそういった。


 俺はまだルリイと知り合ってからまだ日が浅いが、これまでたくさんの悪意のある言葉にさらされてきていただろうこの獣人の少女を守りたくなった。


 -----------------------------


 おい、バケモノ!近づいてくんな!

 あんなバケモノがどうしてこの街にいるのかしら。


 ま、まってよ、僕はバケモノなんかじゃないよ、、、僕だって、、、、、、


 -----------------------------


「安心しろルリイ。俺は種族や見た目だけで人を判断することはしない。だから俺から離れることはない。」


「やっぱり、アランさんはやさしい人なのニャ。」


「優しくはないと思うが、、何かあったら必ず俺に相談しろ。力になる。」


「ふふ、わかったのニャ、その時はお願いするのニャ。」


 ルリイは笑顔を見せて仕事に戻っていった。


 ルリイのことはこれからも気にかけていかなくてはいけないな。

 さて、まずはアレックスを探すか。それにしてもすごい人だな、ここからアレックスを見つけるのは大変だな。

「ガハハハ、頼んだぞ。」

 大変そうだと思っていたが、あそこか。声が大きいからすぐにわかるな。


 声のしたほうへ近づいていくとアレックスは俺に気づいたのか声をかけてきた。

「よう、アラン。今回の作戦はお前が要になっている。頼んだぜ。」


「ああ、悪いな、さっきここについたばかりで、作戦とやらは聞いていないんだ。」


「おいおい、、、ま、お前の仕事は集落に突っ込んで敵を殲滅するだけだ。」


 大方、予想通りだな。ゴブリン程度相手にならん。雑魚がいくら集まろうと俺に傷一つ与えることはできん。

「任せておけ。」

 アレックスと話をしていると、一人の少年が割り込んでくる。


「おいマスター、誰だよこいつ!、こんな弱そうなやつに今回の作戦を任せるのか!?」

「それにお前、ランクはいくつなんだよ。」


「心配すんなよグレン、こいつはまだDランクだがお前より確実に強い。実際、試験で俺が負けるくらいには強いぞ。」


「なっ、じゃあこいつがいきなりDランクになったっていう新人かよ。」

「ちっ、おいお前、足引っ張んじゃねぇぞ。」

 グレンと呼ばれた少年は、そう言い残しパーティであろう仲間のもとに向かった。


「ははは、わるいなアラン。あいつもまだ新人でよ、最近Cランクに上がったばかりの奴なんだ。」


「あの年でCランクなら期待の星というわけか。」

 俺がそうつぶやいたのをアレックスは聞いていたのか、笑いながら、俺に言った。

「そんなこと言って、お前も同じくらいの年じゃねぇか」

 ああ、そういえば年齢のところは見た目どおりで書いたんだったな。

 そう思いつつグレンが向かったほうに目を向けるとグレンが銀色の髪を長く伸ばした長身のイケメンに拳骨を落とされていた。

 その銀髪の男がこちらに近づいてきた。


「やあ、うちの新人がすまないね。パーティリーダーとして謝らせてもらうよ。僕はルーク。疾風の銀雷というパーティのリーダーをやらせてもらっている。Aランク冒険者だ。よろしく。」

 そういって手を差し出してきた。

「ああ、俺はアラン、ソロのDランク冒険者だ。よろしく。」

 俺は手を握り返しそう答えた。














 冒険者同士の確認が終わりゴブリンの集落殲滅のために眠りの森へ向かった。


 森の入り口につくと先頭を歩いていたルークが全員に向け声をかけた。

「今回の合同依頼のリーダーは僕がやらせてもらうよ。何か言いたいことがある人はいるかな?…………どうやらいないみたいだね。じゃあ今回の作戦をもう一度確認しおくよ。」


 まずCランク以下の冒険者は森から逃げ出してくる、モンスターの討伐をお願いするよ。Bランク以上の冒険者たちは、僕たちに続いて集落に乗り込み殲滅戦を行う。では、作戦開始だ。



 俺はルークのパーティと行動を共にしていた。集落の位置を知っているのは俺とサクラしかいないからだ。俺は案内役の意味もあり一緒の行動していた。

「アラン、僕のパーティメンバーを紹介しておくよ。まず僕から。僕はルーク、剣と魔法の両方で戦う前衛タイプだ。といっても魔法は補助くらいにしか使えないんだけどね。次に副リーダーのエルミナ、彼女は魔法使いだね。後衛で後ろから戦況を把握して指示を出すことが多いね。次に剣士のロダン。彼は完全な前衛だよ。そして盗賊(シーフ)のユシン。主に戦闘に参加することはないけどサポート役だね。あとは僧侶のフィリー。彼女はパーティのヒーラーだよ。もう一人はグレンだ。彼はうちの中でも期待の新人だよ。この5人が僕の自慢のパーティメンバーさ。」


 バランスの取れた良いパーティだな。さすがAランクパーティなだけある。そうそう簡単に遅れは取らないだろうな。

「俺もルークと同じで剣と魔法の両方で戦う。ただ俺は魔法がメインで戦うことが多いな。剣はそこまで扱えない。どちらかというと後衛のほうが強いかな。」


「そうなのかい?僕は剣であのマスターを圧倒したと聞いたけど。」

 あの時はかなりの見物人がいたからな。そこから聞いたのだろうな。深く聞かれても面倒だな。

「あのときは確かに剣も使ったが基本的には魔法で戦うと思っていてくれ。今回は別だがな。細かいことは戦闘開始前に話すよ。」


 そんな会話を交わしながら森の中を進み、ついに集落の近くに到着した。

 ここからは慎重に行こうというルークの言葉に頷きゆっくり近づいて行った。


「アラン君やっほー」

 いつの間にか合流していたサクラが話しかけてきた。

「サクラは緊張感がないな。そんなんで大丈夫なのか?」


「ふふ、アラン君がいれば余裕だからね。期待してるよ。」


 グレンは美少女であるサクラにそんなことを言われているアランに対抗心を燃やしていた。

 俺だって絶対にすごい功績をあげてやる。見ておけよ。




 集落につくとそこにはすごい数のゴブリンがいた。

 そして突入するメンバーの全員が集まっていた。疾風の銀雷、アラン、サクラ、妖精の風の計13人だ。

「やはりものすごい量だな。これを全部で15人に満たない人数で壊滅させるとなるとかなり厳しいな。アラン、君の策というのを聞かせてもらってもいいかな?」

 ルークは少し遠慮がちに聞いてきた。

「そんな策と呼べるほどのものでもないがな。まず俺が広域魔法で殲滅する。残りを狩るだけだ。簡単だろう?」

 ここにいるサクラ以外の全員が口を開け絶句していた。そして言葉の意味をだんだんと飲み込めてきたのかつい一人が大きな声をあげそうになった。

 それに気づいたほかのメンバーが止めていが本当にできるのかという疑問の目が多くアランに向けられた。


「本当にそんなことができるの?ここには300近くのゴブリンがいるのよ、中には上位種もいる。」


「まあ見ておけ。俺の魔法で雑魚はほぼ狩れる。あとは少し強くなった程度のゴブリンのみ。簡単な仕事だ。怖いなら出てこなくてもいいぞ。俺一人でも十分な仕事だからな。」


 俺はそういうと隠れていた茂みから出ていき集落を視界に入れた。




 茂みから出ていくアランを見ながら隠れていたメンバーはアランに対する不満をためていた。

 もともと、登録したばかりの新人が作戦の中核を担うことに冒険者としてのプライドが刺激されていたのに、あの言葉をもらってしまっては、怒るのは仕方ないといえよう。

「サクラさんはSランク冒険者でしょう、彼のあの物言いに憤りを感じないのかしら?」

 サクラはその場にいた全員が見惚れてしまうほどの笑顔で言った。

「ええ、全く感じないわ。むしろあの人の実力を測るいい機会だと思っているわ。」



 そんな会話が吸血鬼の身体能力ゆえに聞こえていたがアランは気にすることはなかった。

 まあいい、一人でどうにでもできるのだ。さて、今回は彼らにもタイミングが計りやすいように詠唱もするか。


 アランは普段は隠している魔力を開放し周囲の魔素を取り込みながら、魔力を練り上げた。

 《空よ我の声を聞け、地よ我の力を受けよ、我は王なり、夜を統べり、日の下をいくもの。灰燼へ帰せ、神域魔術《火炎》》


 魔法にしてはあまりに短い詠唱を終え、アランの魔法が発動した。




誤字・脱字や表現の間違え、感想などお待ちしています。

気に入っていただけましたら是非ともレビューのほうもよろしくお願いいたします。

作者のモチベーションにつながります(*^-^*)

Twitterを始めましたので、よろしければフォローのほうよろしくお願いします。

@YoukoNoTawamure

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