EP23 勇者パーティー
「勇者パーティー........ 」
小さく言葉を漏らすとどうやら黄金の鎧の奴に聞かれていたのか照れた様子で手を差し伸べて来た。
「俺たちも有名になって来たんだな!俺の名前はライデイン!今代の勇者だ!」
「あ、あぁ......俺はジョン、よろしくな。」
手を取り、立ち上がる。
「あの、お怪我はありませんか?」
するとヒーラーらしき少女が心配した様子で聞いてくる。
(勇者パーティーにいるヒーラー......と言う事はルナマリアか。)
此処は軽いジャブを放つべきか。
「うぅ、胸が苦しい......どうやら貴方に恋と言う名の病に侵されてしまったようだ。」
「ふふ、面白い方ですね。その様子なら心配はないようです。」
軽いジャブは軽くブロックされてしまった。こういった軽口には慣れているようだ。
「あん?よく見りゃあんちゃんの装備、オリハルコン製じゃねーか!」
何処からどう見ても戦士職の男は自分の装備を見てそう言う。恐らくこの男がヴォルフガングなのだろう。
「ふむ、フルプレート装備から見るにそなたは貴族か?」
女騎士がそう結論づける。確かに肌が見える箇所はない。完全武装状態だ。そしてこの女も+aの一人であるヒロイン、ヴァレンタインだろう。
「此処は貴族の坊っちゃんが遊ぶには危険な場所だ。悪い事は言わねぇ、帰んな。」
(こいつ等、俺の事を貴族だと勘違いしてるのか...........)
............よし、此処はこの設定を利用するしかない。
「............私には帰れぬ理由がある!悪しき魔王により連れ去られた我が友を助けるため、進まなければならないのだ!」
「あんちゃん.......アンタ」
ヴォルフガングの手が肩に置かれる。
「ジョン、君の気持ちも分かる。だけど此処は俺たちに任せてくれないか!」
勇者ライデインが拳を突き出し、そう言ってくる。
「この先は本当に危険だ。みすみすアンタを見殺しには出来ない!」
「勇者様の言うとおりです。貴方様の隣人は私達が救いましょう。どうか、私達の帰還を安心してお待ちください。」
この聖女の言うとおり、この設定では待つことこそが一番の選択肢なのだろう。
「命を無駄にするな。我らがソナタの友を救おう。」
しかし、其れではこの勇者パーティーとの接点は薄くなる。
「勇者一行の気持ちは有り難い。だが、私は私の剣で我が友を救う。たとえ剣が砕け、私の足がなくなろうとも私の進撃は止まぬ。恩人の元に駆けつけずして何が友か!」
流石の演技力に自分も酔いしれそうだ。
「そこまでの覚悟をあんちゃんは決めて..........ライデイン」
「ヴォルフガング......言いたい事は分かる。だが、」
おお、いい感じになって来たぞ!ヴォルフガング、もっと押してくれ!プッシュミー!
「危険だ。私は否定する。友を助けに行くと言う覚悟は素晴らしい。だか、真に友を思うのなら我らに任せるべきだ。必ずやソナタの友を助け出し、ソナタの元に送り届ける。」
このクソヴァレンタインッ!余計な事を言うんじゃねぇー!
「確かに........」
ヴォルフガングゥ!!諭されるなぁ!お前は言葉に惑わされているだけだ!己の意志を貫いて下さい、どうぞぉ!!




